子どもが小学生になると、学校で勉強する生活がスタートします。

授業の理解度はテストを受けて点数で分かりますが、その点数が学年の他の子に比べると明らかに低かったりすると「うちの子は勉強が苦手なのか」と親は悩み、家庭教育に力をいれたり勉強系の習い事に通わてみたりする家庭もあります。

しかし、単に勉強をさぼっていて点数が取れない、理解できていないという子ばかりではありません。中には学習障害の疑いのある子もいます。

2022年に文部科学省が調査、発表した「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果」によると、全国の公立小中学校の通常学級に在籍する児童生徒のうち、6.5%が「学習面で著しい困難を示す」と学習障害の可能性があることが分かりました。

そこで今回は、勉強ができない子と学習障害の子はどのような点が違うのかを考えていきます。

1. 【学習障害】「勉強ができない子」と決めつけられない特徴

学習障害は「勉強を怠けている」とは明確に異なるため、早期に子どもの特性を親がキャッチしてより良い勉強法を模索することが大切。

子どもの学習障害

出所:文部科学省「学習障害とは」

文部科学省のホームページに記載されている「学習障害とは」では以下のようなことが記されています。

学習障害とは、全般的に知的発達に遅れはないが、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった学習に必要な基礎的な能力のうち、一つないし複数の特定の能力についてなかなか習得できなかったり、うまく発揮することができなかったりすることによって、学習上、様々な困難に直面している状態をいいます。(文部科学省HPより)

一般的に、何回も書いても漢字を覚えられない、数字をうまく数えられない、英単語が覚えられない。こうした特徴のある子は学習障害の可能性があります。しかし、親の方も最初の方は「暗記力がない」「勉強を怠けている」「勉強にセンスがない」と考えて、まさか学習障害があるとは思ってもいません。

筆者が塾で仕事をしている時も「うちの子は全然勉強できなくて」と親に引っ張られるようにして入会してくる子どもに出会ったことがあります。

勉強が嫌いな子であれば全ての教科がまんべんなく低飛行状態なのに、「理科と数学は得意だけど漢字が極端にできない」という子もいました。

このように、教科毎のテストの点数のばらつきが激しく、単に「好き嫌いが激しい子」の一言で片づけられないと感じる子は一定数いました。

今思うと、何かしらの学習障害を抱えていた可能性は高いです。けれど、塾に入ってくる年齢が中学生だと「漢字を覚えやすい方法」を考えて小学生漢字から復習しようにも高校受験までに間に合いません。

早期に子どもの特性を親がキャッチしてより良い勉強法を模索することの大切さを痛感しました。