2. 【学習障害】「その子に合う独特の勉強法があるかもしれない」考える

学習障害の疑いがある子は、他の子がやっている勉強法を押し付けると逆効果になることも多い。

子どもの学習障害

kapinon.stuio/shutterstock.com

特定の教科、単元の学びに苦労している子どもは一般的な勉強法が適していないことがあります。

テストの点数が悪ければ、家庭学習で教材を購入し、勉強に取り組ませてなんとか良い点数が取れるように頑張らせると思いますが、そうした「普通の勉強法」で状況が好転する保証はありません。

筆者が塾で出会った、おそらく学習障害の可能性のある生徒の一人で、英単語を覚えるのが苦手な子がいました。「中学校の英単語テストが毎回酷い点数で困っている」「頑張って毎日書いているのに頭に入ってこない」とよくこぼしていました。

その生徒と雑談した際、「音楽の歌詞はすぐに覚えられるのに英単語が覚えられないのは不思議ですよね」という言葉を聞いて、物は試しにと「音で聞いて覚えるのが得意なのでは」と提案し、リスニング教材で英単語を聞いて発音してスペルも覚えてみることを実験的にやってみました。

すると、「書くよりもずっと覚えられる」と英単語の暗記が劇的によくなり英語への苦手意識もかなり和らいだケースもあります。

学習障害の疑いがある子は、他の子がやっている勉強法を押し付けると逆効果になることも多いので、「どういう勉強の仕方が合っているか」と考えて色々と試してみてください。

3. 【学習障害】勉強で優劣をつけない勇気も必要

テストの結果で優劣をつけられることは、頑張っているのに結果が出ない子にとっては悲しいこと。

子どもの学習障害

kapinon.stuio/shutterstock.com

小学生となり、学年があがるとテストの点数差もクラス内で出てくるようになります。
いつも高得点を取る子の顔ぶれが固定化していき、低い点数を取る子もメンバーが固定化します。

「あの子は勉強を頑張っている」「あの子は勉強を頑張っていないから」とテストの結果で優劣を決められることも増えてきます。

頑張っているのに思うように結果が出ない子にとっては悲しいことです。

親としては子どもがそれなりの点数が取れるようサポートをしていきたいけれど、なかなか現実的に難しいこともあります。やはり学年があがれば学習内容も難しくなり、学習障害の可能性のある子は勉強面で壁にぶち当たることも増えていきます。

とくに親からテストの結果でガミガミ言われるのは子どもにとっては悲しく、辛いことです。自分は愛されていないという気持ちが大きくなります。

点数が低い状態が続けば、「自分は何をしてもダメな人間だ」と自己肯定感の低い子になり、チャレンジ精神がなくなっていきます。

ちょっと勉強面で自信をつけさせるのが難しそうだと感じたら、親は迷わずスポーツ、音楽、芸術、技術や話術と他の分野で子どもが好きなこと、得意なことを見つけて自信をつけさせていくようにしましょう。

勉強以外のところで活躍できるようになると子どもも自分らしく生き生きと過ごすことができるようになります。