4.2 厚生年金(国民年金部分を含む)
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
平均年金月額は、国民年金のみを受給する場合は男女ともに5万円台、厚生年金を上乗せで受給する場合は男性16万円台、女性10万円台です。
ただし、実際に一人ひとりが受け取る年金額には、グラフのように大きな個人差が見られます。
4.3 2025年度の年金額は1.9%のプラス改定も「実質目減り」
なお、2025年(4月分以降)の公的年金額は前年度より1.9%引き上げられました。
3年連続のプラス改定は一見喜ばしく思えますが、「マクロ経済スライド(※)」の発動により、物価上昇率を下回る改定率となりました。
年金額は物価上昇には追い付いておらず、実質は目減りしていることになります。
※マクロ経済スライドとは:「公的年金被保険者(年金保険料を払う現役世代の数)の変動」と「平均余命の伸び」に基づいて設定される「スライド調整率」を用いて、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するしくみ
5. 早期リタイアの実現に向けて
ここまで老後資金や年金について詳しく見てきましたが、早期リタイアどころか「普通の老後の生活も楽ではない」と感じた方もいるでしょう。
そのため、ここでは早期リタイアに向けて今からどのような行動をするべきかを見ていきましょう。
たとえば、国が用意している制度である「新NISA」を活用してみてもいいかもしれません。しかし、新NISAは元本1800万円までと限度があるので、新NISAだけでの早期リタイアは難しいといえるでしょう。
次に、個人年金や債券、一時払い終身保険のような債券での運用を検討するとよいかもしれません。
新NISAとの分散としても有効で、何よりも金利が固定していて安心という方も多いのではないでしょうか。
最後に、今の生活を見直してみるとよいでしょう。
無駄なものを買っていないか、保険料やスマホ代などを普通の人よりも高く支払っていないかなどを見直してみることによって浮いたお金を、老後の資金に回せるかもしれません。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
筒井 亮鳳