ソニー生命保険株式会社「シニアの生活意識調査2024」によると、いまどきシニアが「この1年で体験してよかったこと」は、1位が「旅行」、2位が「コンサート・ライブ」だそうです(2024年9月5日公表)。

家計をうまくやり繰りしてこういった趣味や娯楽にお金を使う方もいれば、現役時代に貯めたお金を取り崩して使う方もいらっしゃるでしょう。

ゆとりある老後生活を送るためのカギは、「年金」と「貯蓄」にあります。

では、実際に老後を迎えている60歳代や70歳代の方々は、どのくらいの年金を受け取り、どのくらいの貯蓄をしているのでしょうか。

今回は、シニア世代の年金事情や貯蓄事情について紹介します。

老後を迎えてから後悔しないよう、なるべく早めに準備を始めておきましょう。

1. 【シニア世代】この1年で体験してよかったことTOP10

ソニー生命保険株式会社が、50~79歳のシニア1000人に「この1年のうちに体験してよかったこと」を聞いたところ、以下のような結果になりました。

シニアがこの1年のうちに体験してよかったこと1/7

シニアがこの1年のうちに体験してよかったこと

出所:ソニー生命保険株式会社「シニアの生活意識調査2024」

  • 1位 旅行:50人
  • 2位 コンサート・ライブ:26人
  • 3位 登山ハイキング:14人
  • 4位 ゴルフ:13人
  • 5位 温泉・銭湯:11人
  • 6位 ウォーキング・散歩:10人
  • 6位 スポーツ観戦:10人
  • 8位 テーマパーク:8人
  • 8位 ボランティア:8人
  • 8位 仕事:8人

1位はダントツで「旅行」となっており、2位は「コンサート・ライブ」となっています。

コロナ禍による行動制限がなくなり、コンサートやライブなどのイベントに参加する機会も増えていることなどが要因とみられます。

しかし、ようやく旅行やお出かけを楽しめるようになったものの、足元では物価高騰や円安が続いており、旅行やお出かけを楽しむのも出費が嵩んでしまうのが現状です。

特に、年金を主な収入源とするシニアの中には、趣味や娯楽にお金を使う余裕がないという世帯もあることでしょう。

次章にて、シニアの年金事情を見ていきます。

2. シニアの年金事情「厚生年金と国民年金はいくらもらっている?」

厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号) 受給権者の平均年金月額は以下の通りです。

【男性】
厚生年金:16万3875円
国民年金:5万8798円

【女性】
厚生年金:10万4878円
国民年金:5万4426円

【男女計】
厚生年金:14万3973円
国民年金:5万6316円

実際の年金受給額は個人差が大きいので、受給額ごとの受給者数も見てみましょう。

2.1 【国民年金】受給額ごとの受給者数数

国民年金の受給月額2/7

国民年金の受給月額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 1万円未満:6万5660人
  • 1万円以上~2万円未満:27万4330人
  • 2万円以上~3万円未満:88万1065人
  • 3万円以上~4万円未満:266万1520人
  • 4万円以上~5万円未満:465万5774人
  • 5万円以上~6万円未満:824万6178人
  • 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
  • 7万円以上~:178万3609人

2.2 【厚生年金】受給額ごとの受給者数

厚生年金の受給月額3/7

厚生年金の受給月額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 1万円未満:6万1358人
  • 1万円以上~2万円未満:1万5728人
  • 2万円以上~3万円未満:5万4921人
  • 3万円以上~4万円未満:9万5172人
  • 4万円以上~5万円未満:10万2402人
  • 5万円以上~6万円未満:15万2773人
  • 6万円以上~7万円未満:41万1749人
  • 7万円以上~8万円未満:68万7473人
  • 8万円以上~9万円未満:92万8511人
  • 9万円以上~10万円未満:112万3972人
  • 10万円以上~11万円未満:112万7493人
  • 11万円以上~12万円未満:103万4254人
  • 12万円以上~13万円未満:94万5662人
  • 13万円以上~14万円未満:92万5503人
  • 14万円以上~15万円未満:95万3156人
  • 15万円以上~16万円未満:99万4044人
  • 16万円以上~17万円未満:104万730人
  • 17万円以上~18万円未満:105万8410人
  • 18万円以上~19万円未満:101万554人
  • 19万円以上~20万円未満:90万9998人
  • 20万円以上~21万円未満:75万9086人
  • 21万円以上~22万円未満:56万9206人
  • 22万円以上~23万円未満:38万3582人
  • 23万円以上~24万円未満:25万3529人
  • 24万円以上~25万円未満:16万6281人
  • 25万円以上~26万円未満:10万2291人
  • 26万円以上~27万円未満:5万9766人
  • 27万円以上~28万円未満:3万3463人
  • 28万円以上~29万円未満:1万5793人
  • 29万円以上~30万円未満:7351人
  • 30万円以上~:1万2490人

特に、現役時代の収入と加入期間に左右される厚生年金の受給額は個人差が大きくなります。

高収入かつ加入期間が長い人ほど多くの年金を受け取れますが、自営業やフリーランスなど、厚生年金への加入期間がない(もしくは少ない)人は受給額が少なくなります。

ゆとりある老後生活を送るとなると、公的年金を含めて十分な老後収入を得ているか、ある程度の金融資産を有している必要があるでしょう。

続いて、シニアの貯蓄事情も見ていきます。

3. シニアの貯蓄事情「貯蓄ゼロ世帯もいるの?」

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」から、60~70歳代の貯蓄割合を見てみましょう。

3.1 60歳代・二人以上世帯の貯蓄

  • 金融資産非保有:21.0%
  • 100万円未満:5.9%
  • 100~200万円未満:4.5%
  • 200~300万円未満:4.3%
  • 300~400万円未満:3.0%
  • 400~500万円未満:1.9%
  • 500~700万円未満:7.2%
  • 700~1000万円未満:6.7%
  • 1000~1500万円未満:6.8%
  • 1500~2000万円未満:5.4%
  • 2000~3000万円未満:9.5%
  • 3000万円以上:20.5%
  • 平均値:2026万円
  • 中央値:700万円

3.2 60歳代・単身世帯の貯蓄

  • 金融資産非保有:33.3%
  • 100万円未満:8.5%
  • 100~200万円未満:4.7%
  • 200~300万円未満:2.8%
  • 300~400万円未満:4.3%
  • 400~500万円未満:2.4%
  • 500~700万円未満:3.5%
  • 700~1000万円未満:2.8%
  • 1000~1500万円未満:6.6%
  • 1500~2000万円未満:4.5%
  • 2000~3000万円未満:8.0%
  • 3000万円以上:15.1%
  • 平均値:1468万円
  • 中央値:210万円

3.3 70歳代・二人以上世帯の貯蓄

  • 金融資産非保有:19.2%
  • 100万円未満:5.6%
  • 100~200万円未満:5.1%
  • 200~300万円未満:4.3%
  • 300~400万円未満:4.7%
  • 400~500万円未満:2.5%
  • 500~700万円未満:6.2%
  • 700~1000万円未満:5.8%
  • 1000~1500万円未満:10.2%
  • 1500~2000万円未満:6.6%
  • 2000~3000万円未満:7.4%
  • 3000万円以上:19.7%
  • 平均値:1757万円
  • 中央値:700万円

3.4 70歳代・単身世帯の貯蓄

  • 金融資産非保有:26.7%
  • 100万円未満:5.8%
  • 100~200万円未満:4.3%
  • 200~300万円未満:4.1%
  • 300~400万円未満:3.3%
  • 400~500万円未満:2.5%
  • 500~700万円未満:6.6%
  • 700~1000万円未満:5.1%
  • 1000~1500万円未満:8.6%
  • 1500~2000万円未満:5.3%
  • 2000~3000万円未満:8.2%
  • 3000万円以上:17.3%
  • 平均値:1529万円
  • 中央値:500万円

貯蓄が2000万円以上ある世帯が2~3割程度ある一方で、「金融資産非保有」の世帯も2~3割程度あるのが現状です。

シニアのおよそ3~5人に1人は貯蓄ゼロで老後を迎えていることになり、さらに老後の収入も少ない場合は生活が困窮している可能性があります。

旅行やコンサート・ライブなど、老後は趣味や娯楽にお金を使いたい場合は、今から準備を始めておかなければなりません。

4. ゆとりある老後を迎えるためのカギは「早めの準備」

老後を迎えてから「年金が少ない」「貯蓄がない」と嘆いても遅いので、なるべく若いうちから将来に向けて備えておく必要があります。

年金の受給額を増やすためになるべく長く働いたり、貯蓄や資産運用などでコツコツ金融資産を蓄えたりなど、自分にできることは何かを考えてみることが大切です。

その第一歩として、家計の把握と見直し、将来の年金額(見込み)の確認などを行い、老後に向けたマネープランを立てていきましょう。

参考資料

加藤 聖人