「老後資金」と聞いて、何をイメージしますか?

やっぱり「年金」がまず思い浮かぶ人も多いんじゃないでしょうか。年金は老後の生活を支える大事な柱のひとつです。

そんな年金生活者の支援策として、令和元年の10月1日から「年金生活者支援給付金」という制度がスタートしたのは知っているでしょうか?

一定の条件を満たす人が対象となりますが、基本的には年金だけでは生活が厳しいという方々に向けたサポートです。

今回は、まず年金の基本的な仕組みについて説明しつつ、どれくらいの額が実際に支給されているのか、さらにこの「年金生活者支援給付金」についても詳しく触れていきます。

1. 公的年金の仕組みとは?厚生年金と国民年金を解説

まず、日本の公的年金制度についてざっくり見ておきましょう。

日本の年金は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の二段構えになっています。よく「2階建て」と呼ばれます。

【写真全8枚中1枚目】厚生年金と国民年金の仕組み、2枚目から年金一覧表&ねんきん定期便についてチェック!

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 1階部分:国民年金

国民年金は、日本に住んでいる20歳から60歳までの全員が原則加入するもので、いわば土台です。ポイントは以下の通りです。

  • 保険料はみんな一律で、収入に関係なく同じ金額
  • 40年間、もれなくしっかり払い続けると満額を受け取れる

1.2 2階部分:厚生年金

次に、会社員や公務員、パートタイマーの一部などが入る「厚生年金」があります。これは、国民年金に上乗せする形で支給されます。ポイントは下記の通りです。

  • 保険料は収入に応じて決まる(上限はあります)
  • 加入期間や払った保険料の額で、もらえる額が変わる

この仕組みのため、収入が多かったり、長い間働いていた人はその分多くもらえるんですね。

3階部分:個人年金やiDeCo

最近では、「個人年金保険」や「iDeCo(イデコ)」などを活用して、さらに上乗せして備える人も増えてきました。これが「3階建て」という考え方です。

次に厚生年金の平均年金月額を確認していきましょう。