4. 【年代別】おひとりさま世帯の平均貯蓄額はいくら?
では最後に、おひとりさま世帯の平均貯蓄額を年代別に確認していきましょう。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、20歳代〜70歳代における単身世帯(おひとりさま世帯)の平均貯蓄額は下記のとおりです。
- 20歳代:平均121万円・中央値9万円
- 30歳代:平均594万円・中央値100万円
- 40歳代:平均559万円・中央値47万円
- 50歳代:平均1391万円・中央値80万円
- 60歳代:平均1468万円・中央値210万円
- 70歳代:平均1529万円・中央値500万円
平均値をみると、年代が上がるにつれて徐々に貯蓄額が増えており、50歳代からは貯蓄平均1000万円を達成しています。
しかし平均値は、極端に大きい値があるとその値に偏るため、より実態に近い貯蓄額をしりたい場合は「中央値」を参考にすることをおすすめします。
中央値をみると、どの年代も1000万円に到達しておらず、シニア世代でも500万円以下です。
前章で紹介した家計収支の赤字額を考慮すると、多くの世帯で老後資金が不十分であることがみてとれます。
老後の経済的な安定を確保するためには、早い段階から計画的な貯蓄や投資が重要となります。
近年では、NISAやiDeCoといった国が主導となって実施している資産運用制度もあるため、これらを活用しながら少額からでも老後に向けた資産形成をしていくことが大切でしょう。
5. まずはご自身の年金見込額をチェック
本記事では、独身男女を対象とした「結婚に関する意識調査」の結果とともに、日本の未婚率の実態について紹介していきました。
多様化する現代においては、未婚率が上昇しており、65歳以上の世帯の3割がおひとりさま世帯となっています。
老後におひとりさまとして過ごす場合は、全て自分で管理をしなければいけません。
老後が不安と感じる方は、まずはご自身の年金見込額を「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」などで確認し、そこから老後の収支シミュレーションをしてみると良いでしょう。
参考資料
- 株式会社オーネット「独身男女の結婚に関する意識調査」
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「令和5年版厚生労働白書」
太田 彩子