2024年は急激な円安が進行し、物価の上昇も家計に大きな影響を与えています。食品や日用品、公共料金の値上げが続く中、年金だけで生活する高齢者世帯の厳しい現状が浮き彫りになっています。
現在、多くの高齢者世帯が公的年金を主な収入源にしていますが、厚生年金の平均受給額は月14万円台、国民年金はさらに低い水準です。
今回は令和の年金世代の収入に関するデータを深掘りし、年金だけで暮らす世帯の割合や、実際の年金受給額データも見ていきます。
1. 公的年金だけで暮らす令和シニアはどのくらいいる?
厚生労働省が公表する「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」から、公的年金だけで暮らす高齢者世帯の割合は全体の半数に満たず、41.7%であることが判明しています。
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%:41.7%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が80%~100%未満:17.9%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満:13.9%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満:13.2%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~60%未満:9.3%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満:4.0%
半数以上の高齢者世帯は、公的年金以外に何らかの収入を得て暮らしているという訳です。大多数の方にとって、年金だけで暮らしていくのは困難だということでしょう。
続いて、高齢者世帯は年金以外にどのような収入を得ているのか、所得の内訳についても見ていきます。
1.1 シニア世帯の収入は年金以外に何がある?内訳をチェック
同じく厚生労働省の資料「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」からは、高齢者世帯の所得の内訳についても確認することができます。
高齢者世帯における総所得の平均額は304万円で、所得の内訳は以下の通りです。
- 稼働所得:79万7000円(26.1%)
- 公的年金・恩給:191万9000円(62.9%)
- 財産所得:14万円(4.6%)
- 年金以外の社会保障給付金:2万5000円(0.8%)
- 仕送り・企業年金・個人年金・その他の所得:16万9000円(5.6%)
総所得のうち62.9%が「公的年金・恩給」であり、残り4割は財産所得(利子や配当、不動産所得)や仕送りなどとなっています。
公的年金だけで生活するのは困難だという方が多いものの、高齢者世帯にとって、年金は収入の大きな柱であることは間違いありません。
そこで、次は老後に受け取る年金は果たしていくらになるのか、標準的な夫婦世帯が受け取るモデル金額を見ていきましょう。