4. 介護の準備を忘れずに

住民税非課税世帯に注目してみましたが、老後の問題は他にも複数存在しています。

例えば老後の介護問題。「まさか自分が」と思っても、病気やケガによって、いつ介護が必要になるかわかりません。

そんな時、頼りになるのが「介護保険」です。介護保険は、介護が必要になったときに、その費用の一部を国が支えてくれる制度です。

しかし、この制度だけですべての費用をまかなえるわけではありません。特に、高額なサービスを利用したいときには、自己負担が大きくなるケースも考えられます。

老後、介護が必要になったときのために、今から準備をしておきましょう。民間介護保険なども、そのための選択肢のひとつといえます。

公的な介護保険の補てんとして、特別養護老人ホームへの入所や、高額な介護用品の購入をサポートしてくれます。また要介護状態が悪化する前に、予防的なケアも受けられます。

実際に民間介護保険に加入している人からも、「いざという時に経済的な不安なく介護サービスを受けられた」「家族に負担をかけずに済んだ」など、満足の声が多く聞かれます。

ただし、毎月の保険料が発生しますので、「自分で貯金で備えるのか」「保険で備えるのか」などは慎重に判断する必要があるでしょう。

5. まとめにかえて

住民税非課税世帯に対し10万円の給付が進められているものの、昨年の該当者は対象外です。

そのため、生活費のやりくりに苦労し、将来への不安を抱えるという方もいるでしょう。

高齢者ほど非課税世帯に該当しやすい現状にありますが、年齢を重ねるほど医療費や介護費といった突発的な支出に対する備えも重要です。

こうした状況は、個人の問題にとどまらず、社会全体の問題として捉える必要があるのではないでしょうか。

社会保障制度の見直し、就労支援の強化、教育への投資、地域社会の連携強化など、国や自治体とともに個人でも考えていくことが大切です。

また、低所得世帯に対する支援を受けるには、その情報にたどり着くことも重要です。申請が不要のものもありますが、手続きが必要であり、さらに締め切りが迫るものもあります。

しっかりと情報にはアンテナをはっておきましょう。

※金額や要件などは自治体等によって異なるので、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

参考資料

杉田 有毅