3. 今後、投資は必要か
現代の60歳代の貯蓄と年金額をみてきましたが、年金だけで生活できずに貯蓄を切り崩すシニアもいるでしょう。
日本年金機構によれば、2022年度の厚生年金のモデル夫婦(会社員の夫と専業主婦の妻)の平均月額は21万9593円。さらにここから社会保険料や税金も引かれます。
現役時代の収入に比べると年金収入は下がる人も多く、「貯蓄を切り崩すか、生活水準を落とすか、また働き続けるか」という方は多いでしょう。このすべてが必要となる方も多いものです。
今の現役世代が年金を受給する頃には、年金額は今より下がるとも考えられます。とはいえ日本の平均年収は30年以上400万円台で推移しており、一方で社会保険料や食品、電気代などは値上がりをしています。
現状を考えると老後は長く働くことに加えて、投資でお金を増やしていくという選択肢も必要になってくるでしょう。リスクはありますが、はじめるなら少額でも若いころから投資をおこない、経験を重ねていくことも大切と言えるでしょう。
参考資料
- 日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果(2022年3月31日現在)について」
- 金融庁「つみたてnisa早わかりガイドブック」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査(令和3年)各種分類別データ]」
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 金融庁「令和5(2023)年度 税制改正要望について」(2021年8月31日公表)
- 金融庁「つみたてNISA」
宮野 茉莉子