最近では会社員として勤務したのち、退職後にフリーランスとして働く方も増えています。
年金制度で考えると、会社員時代は厚生年金に加入し、国民年金の第2号被保険者として、2階建て(厚生年金+国民年金に加入)の年金となっています。
一方、フリーランスの方は国民年金第1号被保険者として、国民年金保険料を納めなくてはなりません。
フリーランスになる前に厚生年金に加入している場合、過去に納めた厚生年金保険料は老後に、老齢厚生年金として受給することができます。
しかし、フリーランスになって以降の年金は、国民年金のみとなります。
フリーランスの方や自営業の方は、老後の年金が国民年金だけでは不足するので、老後の準備はされていると思いますが、今回は国民年金第1号被保険者の方が加入することができる「付加年金」について考えてみます。
物価上昇が続く現状において、老後についても考えておきましょう。
1. 【国民年金加入者が知りたい】付加保険料とは
国民年金の第1号被保険者の方や、60歳以上65歳未満で一定の要件のもと国民年金に任意加入することができる方は、国民年金保険料に上乗せして付加保険料を払うことで、老後の年金を増やすことができます。
なお、国民年金第2号被保険者や第3号被保険者の方は、加入することができません。
支払う保険料は、月額400円。
2024(令和6)年度の国民年金保険料は1ヶ月あたり1万6980円なので、この金額に400円を上乗せして支払います。
付加保険料については1970年10月より制度が始まり、当初は1ヶ月あたり350円の上乗せでしたが、1974(昭和49)年1月から400円となり、2024年現在も保険料額は変わりません。
なお、国民年金保険料の免除(一部免除も含む)をされている方、納付猶予や学生納付特例をしている方や国民年金基金に加入している方は、付加保険料を納めることができません。
次の章では、付加年金について解説していきます。
2. 「付加年金」とは?年金が増やせる?
付加保険料を納めることで、将来、どのくらい老齢基礎年金(国民年金)が増えるのか見ていきます。
結論から言うと、老齢基礎年金の額に、付加保険料の納付月数×200円が上乗せされます。
例えば1年間支払った場合、200円×1年(12ヶ月)で、毎年2400円が一生涯、老齢基礎年金に上乗せして受け取ることができます。
なお、付加年金は物価スライドがありませんので、このままの金額の受給となります。
月額ではなく年額ですので、注意してください。
毎月400円の保険料を上乗せして支払うことで、65歳以降の年金を200円×支払った月数分、受け取ることができるとわかりました。
物価や利息などを考えなければ、付加保険料を支払うことで65歳から老齢基礎年金を通常受給すると、67歳時点で元が取れることとなります。
通常受給の場合、67歳以降も長生きすればするほど、付加年金の部分については受給総額が多くもらえることになります。
3. 45歳から60歳になるまでの15年間「付加保険料を支払った場合」シミュレーション
実際に、シミュレーションしてみましょう。
45歳で会社員からフリーランスになったAさんは、フリーランスになったため厚生年金から国民年金へと変わり、自分で国民年金保険料を支払うことになりました。
それと同時に、将来の年金を増やすために国民年金保険料に上乗せして、付加保険料400円を支払うことにしました。
毎月400円の付加保険料を60歳になるまでの15年間払うと、200円×15年(180ヶ月)で、年額3万6000円が一生涯、老齢基礎年金に上乗せして受け取れます。
Aさんは老齢基礎年金に加え、付加保険料として支払った分の付加年金、それに会社員時代の老齢厚生年金を受給することになります。
次の章で、この記事のまとめとしてポイントを解説します。
4. まとめにかえて【付加保険料のポイント】
付加年金制度では、月200円という少ない付加保険料を支払うことで、付加年金を受け取ることができます。
税制面では、国民年金保険料と同じく全額が社会保険料控除の適用とされ、所得税や個人住民税の計算の対象とされます。
とはいえ、老齢基礎年金に加え、付加保険料を支払っている場合でも老後の年金は不足する可能性があるでしょう。
特に60歳になるまでフリーランスや自営業だった方、60歳になる前に勤務先を退職した方などは、国民年金に加入しなければならないので、老齢基礎年金を増やすためには付加保険料を検討してもよいでしょう。
老後資金を準備するためには、付加保険料に加え、iDeCo(個人型確定拠出年金)や小規模企業共済などを利用し、節税をしながら老後資金を作ることもできます。他にも個人年金保険などで準備をする方法があります。
国民年金の第1号被保険者になった方は、一般的に老後の年金が少ないため、貯蓄で準備したり、他の制度も利用したりしながら、老後資金をしっかりと準備しましょう。


