2. 国家公務員の退職金「2000万円超」の人はどのくらい?
では、国家公務員のうち、退職金2000万円を受け取ることができている人はどれほどいるのでしょうか。
次は、「定年退職者」にしぼり、その状況を見ていきます。内閣官房公表の「退職手当の支給状況(令和元年度退職者)」の「表4 退職手当支給額別退職手当受給者数」を参考にします。
2.1 常勤職員(定年)
- 500万円未満:93人
- 500~1000万円未満:118人
- 1000~1500万円未満:500人
- 1500~2000万円未満:4003人
- 2000~2500万円未満:6672人
- 2500~3000万円未満:1143人
- 3000~3500万円未満:63人
- 3500~4000万円未満:17人
- 4000~4500万円未満:68人
- 4500~5000万円未満:15人
- 5000~5500万円未満:6人
- 5500~6000万円未満:1人
- 6000~6500万円未満:14人
- 6500~7000万円未満:1人
うち行政職俸給表(一)適用者(定年)
- 500万円未満:26人
- 500~1000万円未満:13人
- 1000~1500万円未満:13人
- 1500~2000万円未満:505人
- 2000~2500万円未満:3006人
- 2500~3000万円未満:258人
- 3000~3500万円未満:3人
- 3500~4000万円未満:0人
- 4000~4500万円未満:1人
※4500万円以上の支給者は該当なし
退職事由が「定年」のケースに絞ると、ボリュームゾーンは「2000~2500万円未満」です。
常勤職員で全体であれば約63%、そのうちのうち行政職俸給表(一)適用者であれば約85%が、定年退職金として2000万円以上を手にしている、ということが分かりました。
民間では5社に1社は退職金制度がない実態から比べると、『安定』していると感じた人が多いのではないでしょうか。
3. 老後資金は「退職金だけ」で大丈夫か
ここまで、国家公務員の退職金事情をみてきました。
さて、「老後の生活費は、年金収入とは別に2000万円不足する」という内容で話題となった「老後2000万円問題」もふまえると、最低でも退職後に2000万円は準備しておきたいところです。
しかし、「老後2000万円問題」には、老後を賃貸で過ごす場合の計算は入っていなかったり、また旅行や趣味、子どもや孫のお世話する楽しみの費用が入っていなかったり、介護施設の費用が入っていなかったりしています。
ご自身が描いているセカンドライフのイメージとかけ離れていたら、2000万円ではカツカツのセカンドライフになると考えていいでしょう。
国家公務員だけに関わらず「退職金だけ」に過剰な期待を持つことは、避けた方がよいといえるかもしれません。
いまや、退職金任せの老後ではなく、「自分で老後資金を作る」時代にシフトしていると考えてもよさそうです。
「人生100年時代」の足音が聞こえてくる今、長い老後を見据えたお金の準備は、現役時代の「今から」スタートしていく必要があるでしょう。