8月14日、岸田文雄内閣総理大臣は、次期自民党総裁選挙への不出馬を表明しました。実質的なトップ交代により、各種施策が今後どのように進められていくのか、注視する必要がありそうです。
特に、低所得者の支援についてはこれまでもさまざまな策を打ち出してきました。2024年でいえば「住民税非課税世帯への給付金」が大きな話題を呼びました。
この給付金を受け取れる人のなかには、65歳以上の高齢者が多く存在します。
一方で、全く別の施策として、年金受給額が少ない場合には「年金生活者支援給付金」として約6万円が支給されます。
それぞれの給付金は、どのような目的で設立され、どういった人に支給されるのでしょうか。この記事では政府から低所得者の高齢者へ行われる「給付金」の情報をまとめていきます。
1. 政府から低所得者の高齢者へ行われる「給付金」の情報まとめ
住民税非課税世帯等に対し、現在は10万円の支給が進められています。
さらに、全く別の施策として年金生活者支援給付金が挙げられます。
- 住民税非課税世帯への給付金:10万円(1年限り)
- 年金生活者支援給付金:月額約5310円が年金に上乗せ(個人の納付状況等により金額は変わります)
住民税非課税世帯への給付金は、受け取る際に原則自治体への申請が必要です。申請書類は、自治体から送付されます。すでに多くの自治体で支給手続きが始まっており、受け取った人も多いでしょう。
年金生活者支援給付金も、受け取る際は年金事務所への申請が必要です。申請書類は年金事務所が送付してくれます。年金生活者支援給付金は一度申請すれば、適用外になるまで毎年受給し続けられるのが特徴です。
それぞれの概要や受給要件などについて、次章以降で解説していきます。
2. 住民税非課税世帯への10万円給付とは
住民税非課税世帯への10万円給付は、デフレを脱却するための経済対策として打ち出された政府施策です。概要は以下のとおりです。
【写真全2枚】住民税非課税世帯への給付金概要。2枚目は「年金生活者支援給付金」の概要を解説1/2
出所:内閣官房「定額減税・各種給付の詳細」および内閣官房「新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置」をもとに筆者作成
- 対象となる世帯:住民税が一切かかっていない世帯・所得が低く住民税の一部(均等割)のみ納める世帯
- 給付額:10万円
※18歳以下の児童がいる世帯は児童1人につき5万円が追加で給付 - 給付額の要件:
・10万円:2023年度は課税世帯で、2024年度に住民税が非課税・均等割のみ課税となった世帯 - 給付対象外の世帯:
・2023年度の住民税非課税世帯給付金(3万円・7万円・10万円)を受け取った世帯
・全員が住民税が課税されているほかの親族の扶養に入っている世帯 - 申請方法:住んでいる自治体に申請
※具体的な方法は自治体により異なる
給付金は、住民税が一切かかっていない世帯や、5000円のみ負担する均等割のみ課税の世帯が支給対象です。昨年度と同様の給付金を受け取った人は、支給されません。
2024年度に新たに住民税が非課税となった場合は、10万円が支給されます。なお、世帯に要件を満たす子どもがいる場合は、子ども1人あたり5万円が追加で支給されます。
給付金を受け取るには、原則申請が必要です。自治体から必要書類が送られてくるため、内容を確認して記入し、本人確認書類のコピーなどを添付して、自治体へ返送しましょう。
ただし、世帯主がマイナンバーカードを通して「公金受取口座」を登録している場合などは、自治体から公金受取口座へ直接給付金が支給されます。そのため、申請は不要です。
3. 【申請しないともらえない】「年金生活者支援給付金」とは
年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準額以下の方を支援する給付金です。概要は以下のとおりです。
〈老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金〉
- 以下の計算式で算出した金額の合計額
・保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5310円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月
・保険料免除期間に基づく額(月額)
= 1万1333円 × 保険料免除期間 / 被保険者月数480月
※補足的老齢年金生活者支援給付金は、支給調整あり
〈障害年金生活者支援給付金〉
- 障害等級2級:月額5310円
- 障害等級1級:月額6638円
〈遺族年金生活者支援給付金〉
- 月額5310円
※2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5310円を子の数で割った金額をそれぞれに支給する
年金生活者支援給付金は、老齢年金・障害年金・遺族年金それぞれの受給者に対して支給されます。老齢(補足的老齢)年金は、基準額に対して保険料の納付済期間や免除期間を掛けることで金額を算出します。
一方、障害年金生活者支援給付金は支給額障害等級ごとに決められています。また、遺族年金の生活者支援給付金は基本的に定額支給です。遺族年金を2人以上の子どもが受け取っている場合は、金額を子どもの人数で等分します。
支給タイミングは年金と同じく偶数月の15日です。年金に上乗せされるような形で支給されます。
3.1 年金生活者支援給付金の対象者
年金生活者支援給付金の対象者は、以下のとおりです。
- 老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金:65歳以上の老齢基礎年金の受給者で世帯全員が市町村民税非課税かつ年金収入とその他課税所得の合計が87万8900円以下である人
- 障害年金生活者支援給付金:障害基礎年金の受給者で前年の課税所得が472万1000円以下である人
- 遺族年金生活者支援給付金:遺族基礎年金の受給者で前年の所得が472万1000円以下である人
申請は、年金事務所宛に行います。該当する人には申請書が送られてきますが、不明点があればお近くの年金事務所等にご相談ください。
4. まとめにかえて
2024年度は、新たに住民税非課税世帯等に該当した方に対し、10万円給付が行われています。
別途「年金生活者支援給付金」という事業もあるので、両方に該当するケースもあると考えられます。
今年は物価の上昇が続いたため、低所得の人にとっては貴重な給付金となったことでしょう。
政府は、秋ごろに低所得者や年金世帯への追加支援を検討しています。場合によっては、さらに給付金を受け取れる人もいるかもしれませんね。
※9月4日18:52 読者の方からご指摘いただき、内容を一部修正しました。
参考資料
- 内閣官房「定額減税・各種給付の詳細」
- 内閣官房「新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置」
- 杉並区「令和6年度新たな住民税非課税世帯等に対する物価高騰対策支援給付金(10万円)の支給」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 首相官邸「令和6年6月21日 岸田内閣総理大臣記者会見」
石上 ユウキ