4. 元銀行員が語る「大口顧客ならではの特別待遇」とは

銀行ではまれに「年末年始に挨拶に来る」「普通預金の入出金だけでも窓口でなく応接室で対応する」「税金を支払いにきただけで、担当者が挨拶しに来る」などの特別待遇ともとれる対応のときがあります。

一見すると驚くような対応ですが、このような場合は預金を保有しているだけでなく、経営している会社で大口融資を受けたり、銀行から提案した資産運用商品を保有しているケースが多くなっています。

4.1 銀行の待遇は預金残高だけでは変わらない

銀行の収入源は、基本的に預貸金利ざやになっています。

近年は預金の低金利時代が続き、貸出金利息も減少しているので、預金残高が多いだけでは大口顧客とは言い切れないのが現状です。

4.2 投資信託や生命保険の販売手数料収入が大きくなってきている

1998年12月から投資信託、2007年12月22日より全面的に生命保険の窓口販売が始まりました。

投資信託や生命保険の販売手数料収入は、銀行にとって重要な収益分野となりつつあります。

大手行と地方銀行の取引収益

大手行と地方銀行の取引収益

出所:日本銀行「2023年度の銀行・信用金庫決算」

大手銀行も地方銀行も、シンジケート・ローン・債券流動化・M&A・債券引受等・保険販売・投資信託販売・為替業務や利息収入などが収益です。

そのため銀行にとって収益源となるローン利用や投資信託や保険などの金融商品購入の際に、サービスが手厚くなるケースが多くなります。