4.2 リターンの大きい投資先を選ぶ

次に、2点目の「リスクを考慮しながらリターンの大きい投資先を選ぶ」について考えていきましょう。

昔から言われている言葉の一つに「ハイリスク・ハイリターン」があります。

リターンが大きければ、リスクも大きいということです。

これはつみたて投資の商品選定にもあてはまります。

リターンが大きいものを選べば、それだけ大きな資産の増加が見込めます。

一方で、価格変動リスクもそれだけ大きいということになります。

例えば、米国の代表的な株価指数であるS&P500に連動するインデックスファンドに積み立てをする場合と、日経平均に連動するインデックスファンドに積み立てをする場合、前者の方が大きいリターンが見込めるとされています。

なんとなく「米国の方が値動きが大きい」というイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか。

金融庁「長期・積立・分散投資とNISA制度」によると、世界の主な株価指数に20年間(1998~2017年)つみたて投資をした場合のリターンは、「日経平均」で5.5%、「S&P500」で9.1%でした。

このことから、日経平均などの国内資産よりも、S&P500などの米国資産の方がよりリターンが高く、一方でリスクも国内資産に比べて高くなる傾向があります。

投資先を選ぶ際には一国に集中して投資するのではなく、国内や米国、新興国など、あらゆる地域に分散して投資することが大切です。

5. まとめ

今回は、「毎月10万円・1万円」「利回り5%・9%」で20年間つみたて投資した際の新NISAのシミュレーションをおこなってきました。

毎月の投資額が少額であっても、投資先の選定や投資期間の延長により、高いリターンが期待できます。

「新NISAを利用して資産運用をはじめようと思っているけど、そこまで大きな額はつみたてられない…」と二の足を踏んでいるという方も、これを機会にNISAで積み立て投資を初めてみてはいかがでしょうか。

ただし、投資信託などを利用した資産運用には元本割れなどのリスクが伴います。

長期間使う予定がない資金など、余裕資金の範囲で挑戦してみてくださいね。

参考資料

中本 智恵