少子高齢化が進む日本において、働き盛りの世代の負担が増加し、年金や医療費など社会保障費の支出が膨らむ中、住民税非課税世帯に占める高齢者の割合が高いと言われています。
筆者はファイナンシャルアドバイザーとして、個人向け資産運用のサポート業務に従事していますが、70歳を超える方が「もう年金じゃやっていけないよ」と相談されることもあります。
かつては地域の中心で活躍していた方も、今は住民税非課税世帯となり、堅実に生活を送っているということもよくあります。
経済成長を牽引してきた世代が、今、貧困と孤独に直面しているケースもあるのです。
彼らの暮らしは、私たちが描く老後の理想とはかけ離れた、厳しい現実を映し出しています。
なぜ、このような状況になってしまったのか?そして、この問題を解決するために、私たちは何ができるのか?
この問いに答えるため、住民税非課税世帯に占める高齢者の増加という問題に深く切り込んでいきたいと思います。
1. 秋には低所得者世帯に「追加の給付金」控える
岸田総理は、6月21日の記者会見において「物価高の中で食費の高騰などに苦しんでおられる年金(生活)世帯や低所得者世帯を対象として、追加の給付金で支援する」と表明しました。
現在は、住民税非課税世帯と住民税の均等割のみ課税世帯に対する10万円の給付が行われている真っただ中です。
それでも物価高の中で食費の高騰などに苦しんでいる年金(生活)世帯や低所得者世帯がいるとのことで、「追加の給付金で支援することを検討いたします」と述べるに至りました。
2024年度の年金額が物価上昇に追いつかず、2.7%の増額改定にとどまったのも一因と考えられています。
では、現在進められている「10万円給付」にはどのような人があてはまるのでしょうか。