2024年7月30日、厚生労働省は男女差解消のため、子のいない20代から50代の現役世代に対する現行の遺族厚生年金について、男女ともに5年間の有期給付とする見直し案を社会保障審議会年金部会に提示しました。
働き続ける女性や共働き世帯の増加といった社会の変化や、制度上の男女差を解消していくことが背景にあります。
多くの世帯にとって、リタイア後の暮らしを支える柱は公的年金でしょう。とはいえ、厚生労働省の調査結果(※)によると、高齢者世帯のうち「公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯」は全体の41.7%。
残りの約6割は、貯蓄の切り崩しや勤労収入、不労所得など「年金以外の資産や収入」でカバーをしていること推測されます。さらに、昨今の止まらぬ物価上昇。多くのシニア世帯の家計は「決して楽ではない」というのが本音でしょう
そんな状況を背景に、去る6月21日岸田首相は年金生活世帯や低所得世帯へ向けた追加給付を検討すると公表。現在進行中の各種支援とは別に新たな支援が、今秋ごろスタートの予定です。
今回は多くの人にとって「老後の始まり」ともいえる60歳代世帯の貯蓄額データを確認したあと、今のシニア世代の公的年金受給額についても平均や個人差を見ていきます。
※厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」