3. 防衛関連を含む受注額が両者ともに急増中
三菱重工と川崎重工ともに着実な増収が続く中で、防衛分野の状況はどのようになっているのでしょうか。セグメント別の数字を見てみましょう。
3.1 三菱重工
三菱重工は2024年3月期末の航空・防衛・宇宙部門の受注高が2兆687億円(前期末は7036億円)となり前期比で約3倍の伸びを見せました。
同部門の売上収益は7915億円(前期は6194円)であり、受注急増が今後の売上に順次反映されます。
同社はH3ロケットなども手掛けており、同部門が全て防衛装備品の受注ではありません。それでも受注額は前期比で約3倍に伸びており、今後の業績に与える影響は大きいといえるでしょう。
3.2 川崎重工
また川崎重工も、自衛隊向けに輸送機などを手掛ける航空宇宙システム部門の受注高が2024年3月期は6926億円(前期末は3455億円)と倍増しました。
同社は航空エンジンに強みを持ち、同部門の全てが防衛関連ではないものの、同部門の受注の伸びは他部門を引き離しています。売上収益は3961億円(前期は3488億円)で微増に留まっており、こちらも今後の決算に与える影響は大きいといえます。
両者とも政府の防衛費増額の影響は既に受注高に表れていると見られ、今後は売上や利益に受注増が徐々に反映されると予想されます。