一般的に、安定性が高いイメージのある国家公務員ですが、そんな国家公務員への転職を考えている方もいらっしゃると思います。

国家公務員の中途採用試験には「社会人試験」が実施される職種もあり、現在試験に向けて準備を進めている方もいらっしゃることでしょう。

今回は、国家公務員の社会人試験の概要や日程に加えて、勤続年数別に退職金の平均支給額を見ていきます。

新卒採用者に比べて定年までの年数が短くなる中途採用者ですが、勤続年数によってどのくらいの差があるのでしょうか。

1. 国家公務員の「社会人試験」とは?

国家公務員の中途採用試験には、40歳未満を対象とした「社会人試験」と、民間企業等による実務経験がある方を対象とした「経験者採用試験」があります。

そのうち、社会人試験は係員級の職員を採用するための試験であり、2024年度の具体的な受験資格は以下のようになっています。

・1984(昭和59)年4月2日以降に生まれた方
・一般職試験(高卒者試験)の受験資格の期間が経過した方(2022(令和4)年3月31日以前に卒業した方)
・人事院が当該者に準ずると認める方

1.1 【2024年度】社会人試験が行われる職種と日程

まず、2024年度に実施される社会人試験は以下の通りです。

・法務省専門職員(人間科学)採用試験 法務教官(社会人)
・国家公務員採用一般職試験(社会人試験(係員級))
・刑務官採用試験 刑務(社会人)
・入国警備官採用試験 警備官(社会人)

採用試験の受付期間は6月14日から6月26日となっており、第1次試験日は9月1日の予定です。第1次試験に合格した方は、10月9日以降の第2次試験に進むことになります。

2. 国家公務員の退職金はどれくらい?

国家公務員の退職金は、退職理由によって金額が大きく異なります。退職理由別の平均支給額は以下の通りです。

退職理由別 退職手当平均支給額1/2

退職理由別 退職手当平均支給額

出所:内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」

 

2.1 常勤職員の退職金(退職理由別)

  • 定年:2112万2000円
  • 応募認定:2524万7000円
  • 自己都合:274万5000円

2.2 うち行政職俸給表(一)適用者の退職金(退職理由別)

  • 定年:2111万4000円
  • 応募認定:2250万円
  • 自己都合:327万5000円

最も支給額が多いのは「応募認定」であり、自己都合退職との差額は2000万円以上に上るケースもあります。

なお、応募認定とは、早期退職募集制度に基づいて退職するケースのことです。

続いて、勤続年数別の平均支給額も見ていきましょう。

3. 【勤続年数別】国家公務員の退職金の平均支給額

中途採用者の場合、新卒採用者と比べて勤続できる年数が短くなります。内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」から、勤続年数別の平均支給額を見てみましょう。

勤続年数別 退職手当平均支給額2/2

勤続年数別 退職手当平均支給額

出所:内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」

3.1 常勤職員の定年退職時の退職金(勤続年数別)

  • 5年未満:158万7000円
  • 5年~9年:446万8000円
  • 10年~14年:713万7000円
  • 15年~19年:1159万1000円
  • 20年~24年:1309万2000円
  • 25年~29年:1663万2000円
  • 30年~34年:1991万7000円
  • 35年~39年:2303万8000円
  • 40年以上:2234万7000円

3.2 うち行政職俸給表(一)適用者の定年退職時の退職金(勤続年数別)

  • 5年未満:84万8000円
  • 5年~9年:451万8000円
  • 10年~14年:675万7000円
  • 15年~19年:1016万6000円
  • 20年~24年:1352万4000円
  • 25年~29年:1625万6000円
  • 30年~34年:2037万円
  • 35年~39年:2189万1000円
  • 40年以上:2139万1000円

仮に、中途採用で常勤職員として35歳から定年まで働いた場合、上記の表に当てはめると、平均支給額は1663万2000円となります。

一方、大卒から定年まで働いたケースの平均支給額は2303万8000円となるので、約640万円の差が出ることになります。

もちろん、実際の支給額は変動しますし、個人差もあるので一概には言えませんが、勤続年数が少ないと支給額も少なくなるのが一般的です。

4. まとめにかえて

2024年度においては、社会人試験が実施される職種が4つあります。

すでに受付期間は終了していますが、来年度以降の申込を検討している方は、人事院の「国家公務員試験採用情報NAVI」にて詳細を確認しておきましょう。

また、中途採用者の場合、定年までの年数が新卒採用者に比べて短くなる分、退職金の支給額が少なくなるのが一般的です。

公務員に限ったことではありませんし、転職せずに定年まで働いたケースに比べて多くの退職金を受け取れる可能性があるので、参考程度に平均支給額を確認しておくと良いでしょう。

参考資料

加藤 聖人