4.3 マイナ保険証による利用者へのデメリット

ここからはマイナ保険証による利用者へのデメリットを考察します。

利用のハードルが高い

デジタル端末が得意でない高齢者や、インターネット環境が整わない地域では、マイナ保険証の利用が困難な場合もあります。マイナンバーカードの取得や利用登録の手続きが必要なため、不便を感じる人もいる可能性があります。

システム不良の懸念

システムダウン時の対応策や、紐付けされる情報の誤りなど、システム不良も懸念されています。加入者資格があるにもかかわらず、マイナ保険証を利用した際に「資格無効」や「資格情報なし」と表示される事象もすでに発生しています。

利用できない医療機関がある

マイナ保険証を利用できる医療機関は「オンライン資格確認が可能な医療機関」です。2023年5月より、オンライン資格確認を可能とすることが医療機関に義務として課されているため、多くの医療機関で導入がされていますが、一方でまだ導入が完了していない医療機関も存在します。そのような医療機関ではマイナ保険証による受診をすることができません。

※マイナ保険証を持っているのにシステム不良などの理由により確認ができずに利用ができない場合、下記の方法により受診をすることが可能です。

①マイナポータルの画面(またはPDF印刷)の提示+マイナンバーカードの提示
②資格情報のお知らせの提示+マイナンバーカードの提示 

※資格情報のお知らせは、被保険者情報の確認などのために保険者から送られてくる書類です

5. まとめにかえて

2024年12月からの紙の保険証の廃止の流れは、利用者にも医療機関にも大きな変化となります。マイナ保険証には使用することによるメリットもありますが、現段階ではまだデメリットや懸念事項も残っています。

しかしながら、政府ではマイナ保険証の利用を推し進めており、デメリットや懸念事項を解消して国民全体が安心して医療機関にかかれるような取り組みをしていくとのことです。

マイナ保険証のメリットやデメリットを十分に理解して、自分の生活によりふさわしい利用方法を、自分自身で選んでいきましょう。

参考資料

斎藤 彩菜