5. 理想のセカンドライフを描くためのポイント
ここまで年金の受給額について見てきましたが、果たしてこれで充分かどうか、イメージがつきにくいという方も多いのではないでしょうか。
将来の不足資金を把握するうえで大事になってくるのが、「自身の理想のセカンドライフ」について考えることです。
5.1 5年後や10年後の目標を立てる
人によって個人差があるかと思いますが、遠く大きな目標を初めから掲げるよりも、目先の小さな目標から着実にクリアする方が気持ちは楽、ということがあるでしょう。
現役時代には叶えられなかったことを1つずつ実現していくことで、より理想に近いセカンドライフとなるでしょう。
まずは、セカンドライフで実現したい目標を思いつく限りリストアップしてみるのもいいでしょう。
そして、リストアップした目標に優先順位を付けて取り組むことを決め、必要に応じてスケジュールを組むことで実際の行動につながりやすくもなります。
5.2 病気や体力の衰えに備える
理想のセカンドライフを迎えるためには、健康であることが大前提です。
いくらお金があっても、寝たきりで身体が動かなくなったり認知症で記憶力や判断力が低下したりしてしまうと、セカンドライフを楽しむのは難しいでしょう。
充実したセカンドライフを送るためには「健康寿命」を伸ばすことが重要です。
健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることがなく生活できる期間を指します。
厚生労働省の調査によると、健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳です。(参考元:厚生労働省「健康寿命の令和元年値」について」)
健康寿命を迎えたあとは、認知症や寝たきりなどで日常生活が制限される状態となります。適度な運動や食生活の改善、十分な睡眠、こまめな検診などを意識し、できるだけ長く健康な身体を保つことが重要といえます。
6. まとめにかえて
老後を有意義に過ごせるかどうか、もちろん何事も必要になってくるのが「お金」です。現役時代に比べ「時間」がある分、それをいかように使うも「自由」なのがセカンドライフです。
現時点で将来資金の不足が心配な方は資産運用を取り入れて、効率的に資産を増やすことや、現役時代に積み上げた資産を少しでも長持ちさせる工夫も一つかもしれません。
また、今のうちに固定費の見直しや生活費をコンパクトにすることも解決策の近道となるケースも多いでしょう。
まずは「現状」を把握することから始めてみませんか?
参考資料
笹村 夏来