光熱費がかさみやすい時期ですが、8月~10月の電気代の補助が再開しました。

さらに、秋には低所得世帯や年金生活世帯に追加の給付金も検討されています。しかし、依然として高齢者の生活は厳しいことが予想されます。

そんな中、現在でも低年金世帯に「給付金」が支給されていることをご存知でしょうか。

年金生活者支援給付金というもので、公的年金等やその他の所得の合計額が一定水準以下の年金受給者に対して、生活支援を図るために年金に上乗せして支給されます。

物価や賃金の上昇率によって毎年4月に改定があり、2024年度は公的年金が2.7%引き上げとなりました。さらに年金生活者支援給付金については、3.2%の増額改定となっています。

では、一体どのような人が年金生活者支援給付金を受給できるのでしょうか。

本記事では、年金生活者支援給付金の支給額や要件について詳しく紹介していきます。

2024年度の「年金生活者支援給付金」の基準額についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。

1. 2024年度「年金生活者支援給付金」の基準額は3.2%増額へ

「年金生活者支援給付金」は、年金生活をしている所得の低い世帯に対して、生活支援を目的に年金に上乗せされる給付金です。

財源は消費税率引き上げ分が充てられていることから、比較的新しい制度であることがわかります。

年金生活者支援給付金を受け取れるのは、「老齢年金(国民年金)」「障害年金」「遺族年金」を受給している人のうち、一定の要件を満たした人です。

次章にて、より詳細な「年金生活者支援給付金」の給付額と支給要件についてみていきましょう。

2. 年金生活者支援給付金の支給額はいくら?

2024年度の年金生活者支援給付金の給付金額例は以下のとおりです。

2024年度の年金生活者支援給付金の給付金額例1/4

2024年度の年金生活者支援給付金の給付金額例

出所:厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

2.1 老齢年金生活者支援給付金【2024年度】

老齢年金生活者支援給付金は、月額5140円を基準額とし、保険料納付期間や保険料免除期間等に応じて算出されます。

具体的には、下記(1)と(2)の合計で求められます。

老齢年金生活者支援給付金の計算式2/4

老齢年金生活者支援給付金の計算式

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」

  • (1)保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5310円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月
  • (2)保険料免除期間に基づく額(月額) = 1万1333円 × 保険料免除期間/ 被保険者月数480月

保険料免除期間に乗ずる金額は、老齢基礎年金の額の改定に応じて変動します。こちらが3.2%の増額になったということです。

ただし、生年月日によって異なるケースもあるため、お近くの年金事務所や市町村窓口で確認することをおすすめします。

2.2 障害年金生活者支援給付金

障害年金生活者支援給付金の給付額は一律となっており、障害等級によって金額が決まります。

  • 障害等級1級:月額6638円
  • 障害等級2級:月額5310円

2.3 遺族年金生活者支援給付金

遺族年金生活者支援給付金も給付額は一律で5310円となっていますが、子どもの人数で変動があります。

2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5310円を子の数で割った金額がそれぞれに支払われます。

たとえば、3人の子が遺族基礎年金を受給している場合は「5310円 ÷ 3 = 1770円」となり、一人当たり1770円の支給となるということです。

次章では支給要件を見ていきましょう。

3. 「年金生活者支援給付金」の支給要件とは?

年金生活者支援給付金の支給要件は以下のとおりです。

「年金生活者支援給付金」の支給要件3/4

「年金生活者支援給付金」の支給要件

出所:厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」

3.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件

老齢年金生活者支援給付金は、以下すべてに該当している人が対象となります。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が87万8900円以下

ただし、障害年金や遺族年金等の非課税収入は計算に含みません。

3.2 障害年金生活者支援給付金の支給要件

障害年金生活者支援給付金は、以下すべてに該当している人が対象となります。

  • 障害基礎年金の受給者
  • 前年の所得が472万1000円以下

ただし、所得の計算に「障害年金等の非課税収入」は含まず、基準となる所得は扶養親族等の人数によって異なります。

3.3 遺族年金生活者支援給付金の支給要件

遺族年金生活者支援給付金は、以下すべてに該当している人が対象となります。

  • 遺族基礎年金の受給者
  • 前年の所得が472万1000円以下

ただし、障害年金生活者支援給付金と同様に、所得の計算には遺族年金等の非課税収入を含まず、基準となる所得は扶養親族等の人数によって異なります。

3.4 年金生活者支援給付金の対象外となるケースもある

下記にひとつでも該当する場合は、年金生活者支援給付金の対象外となります。

  • 日本国内に住所がないとき
  • 年金が全額支給停止のとき
  • 刑事施設等に拘禁されているとき

最後に年金生活者支援給付金を受け取るのに必要な手続きを見ていきましょう。

4. 年金生活者支援給付金の手続き方法

すでに年金を受給している方の中で、新たに年金生活者支援給付金の対象となる方に向けては、9月から順次通知が送付されています。

年金生活者支援給付金の対象となる方への通知書(2023年度の例)4/4

年金生活者支援給付金の対象となる方への通知書

出所:日本年金機構「令和5年度の簡易な年金生活者支援給付金請求書(はがき型)の送付について」

なお、支給要件を満たし続ける場合は継続で対象となるため、2年目以降の手続きは原則不要とされています。

不明点がある場合は、お近くの年金事務所等でご相談ください。

5. 年金だけに頼らない老後の準備

本記事では、年金生活者支援給付金の支給額や要件について詳しく紹介していきました。

最近は物価上昇が進んでおり、思うように老後の備えができていないと感じる方も多いでしょう。

物価は今後も上がり続けることが予想されます。それに対して、お金は勝手に増えてくれません。銀行預金金利(計算例:利率0.02%)でお金を倍にするには、7万2000年かかります。(72の法則)

筆者はFP(ファイナンシャルアドバイザー)として様々な世代の方から資産運用についての相談を受けていますが、皆さんにまず最初にお話しするのが、この物価上昇とお金の関係です。

現代の日本では、少子高齢化による年金問題に加え物価上昇リスクもあります。銀行預金だけでは、これらの問題を解決するのは難しいのが現状です。

老後を安心して過ごすためには、貯蓄以外に投資も選択肢として考えていくと良いでしょう。NISAやiDeCoといった税制優遇がある資産運用制度を活用するのもおすすめです。

ただ、資産運用は預金と違い元本保証はなくリスクも伴います。

まずは預金以外の投資方法の選択肢を知り、ご自身に合った方法を選んで老後の備えをしていくのが良いでしょう。

参考資料

橋本 高志