老後の生活、年金、必要なお金などについて考え、漠然とした不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

筆者は資産運用のサポート業務を行っていますが、「将来資金の準備」や「老後に向けて今のうちに何とかしたい」といった相談内容が大半を占めています。

人生の3大資金といわれる「住宅資金」「教育資金」「老後資金」。どれも大きなお金が必要ですが、「住宅」には住宅ローンがあり、「教育」には教育ローンがあり、それぞれ手元に資金がなくても「借りる」ことができます。

しかし「老後」は自分で準備していく以外に有効な方法がないことからも、3大資金の中で最も負担になるといえます。だからこそ計画的に備える必要があります。

そんな老後生活を助けてくれるのが「年金」です。実際に今の年金受給者が受け取っている「年金額」をご存知でしょうか。

本記事では、厚生年金、国民年金のそれぞれの平均額と高齢者世帯の生活状況についてデータをもとに解説していきます。

また、年金等の所得が少ない世帯に向けた「年金生活者支援給付金」についても解説します。

1. 生活が苦しい高齢者世帯は59%もいる

厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯の59%が生活が「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と答えたことがわかりました。

【写真1枚目/全9枚】生活が「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と答えた割合。次の写真で年金一覧表(60歳代~90歳代のリアルな年金額)を見る

「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と答えた割合グラフ

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」