2024年7月5日、厚生労働省が発表した「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」より、公的年金や恩給だけで生活できる高齢者世帯は全体の半数以下であることがわかりました。

老齢年金の受給額は個人で異なりますが、多くの高齢者が厳しい年金暮らしをしている様子が窺えます。

本記事では、現・老齢年金世代の年金受給額に関するデータをもとに年金暮らしの実態を確認していきます。

厚生労働省が示す夫婦世帯のモデル年金額もご紹介しますので、参考にご覧ください。

1. 高齢者世帯の58.3%が「年金収入だけで生活できない」と回答

冒頭で触れたとおり、厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、老後、公的年金・恩給のみで生活できる高齢者世帯は半数以下。高齢者世帯の約6割が「年金収入だけで生活できない」ことがわかりました。

【写真全5枚】1枚目/公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合、2枚目/岸田首相記者会見

公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」

生活費の半分以上を年金以外の収入で補う必要がある世帯が10%以上あります。

年金収入に対して支出が多くバランスがとれていない世帯もあるため一概には言えないものの、こうした現状を招いた要因の一つとして、老後収入の柱となる公的年金(国民年金・厚生年金)の受給額が十分でないことが考えられます。