3. 老齢基礎年金は全額支給される
在職老齢年金はあくまでも老齢厚生年金部分を指すため、老齢基礎年金は全額支給されます。
たとえば、老齢厚生年金10万円のうち、1万円が支給停止となり9万円が受け取れる方の老齢基礎年金が6万円だった場合を考えてみましょう。
この方が受け取れる年金額は「在職老齢年金9万円+老齢基礎年金6万円=15万円」となります。
どれくらい在職老齢年金が支給停止になるかは、基本月額と月給(総報酬月額相当額)で異なります。
なお、令和4年度「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢厚生年金の平均年金月額は14万3973円です。
ただしこのなかには老齢基礎年金の金額も含まれるため、これを仮に6万円とすると、基本月額の平均は8万3973円と推測できます。
あくまでも平均をもとにした目安に過ぎませんが、一般的には勤務先での月給が41万円を超えると在職老齢年金が差し引かれる可能性があると考えると良いでしょう。
したがって働きながら年金を受け取ると損をするかどうかは、基本月額と給与次第ということになります。