最近、食材やガソリン、電気代など、日常生活に必要なものの値段がどんどん上がっていますよね。

これらの問題は今の時代ならではの悩みです。

そんな中、政府は物価上昇に対応するため、住民税が非課税の世帯に10万円を給付することを決定しました。

テレビや新聞で最近よく取り上げられているこのニュースですが、聞きなれない言葉も多く、少し混乱している方もいるかもしれません。

そこで今回は、住民税非課税世帯の具体的な内容や政策の詳細、実際の給付額についてまとめてみたいと思います。

さらに、高齢者が住民税非課税世帯に該当しやすい理由や、その年齢層の平均貯蓄額についても掘り下げていきます。

1. 秋に年金生活世帯や低所得者世帯への追加給付か?

岸田総理は記者会見で、8月から10月にかけて電気やガス料金の補助を実施する「酷暑乗り切り緊急支援」を発表しました。これで、夏の電気代やガス代が少し楽になるかもしれませんね。

さらに、「物価が上がって辛い」と感じている年金生活者や低所得者世帯に対して、秋ごろに追加の給付金を検討しているとのこと。

しかし、具体的な金額や対象者についてはまだ決まっていないので、詳細がわかるまで待つ必要があります。

今後の情報に注目しつつ、現在の「住民税非課税世帯等への10万円給付」についても見ていきましょう。

2. 2024年度「住民税非課税世帯」への10万円給付とは?

2024年度には、新たに住民税が非課税となる世帯に対して、10万円の給付が行われることになっています。

対象は下記の通りです。

2.1 10万円給付の対象者

  • 2024年6月3日時点で住民税非課税の世帯
  • 2024年6月3日時点で住民税均等割のみ課税者である世帯

さらに、18歳以下の子どもがいる世帯には、1人につき5万円が追加で支給されます。

2.2 10万円給付の手続き方法とは?

マイナンバーカードで公金受取口座の登録が済んでいる場合は、基本的に手続きは不要です。

ただし、振込先の口座に誤りや変更がないか、確認しておくことをお勧めします。

もしまだ登録していない場合や、申請書が届いたら、しっかりチェックして手続きが必要です。申請の締切は市町村によって異なりますが、例えば8月31日や10月31日など、最新の情報を確認してください。

また、2023年度に10万円の給付を受けた世帯は、今回の対象外なので注意しましょう。

では「住民税非課税世帯」は具体的にはどんな基準で対象となるのでしょうか。次の章で、どれくらいの所得が目安になるのか詳しく見ていきます。

3. 住民税非課税世帯の条件とは?所得の基準を解説

住民税は、前年の所得に基づいて決まります。もし前年に全く収入がなければ、住民税も当然ゼロ(=非課税)になります。

ただ、多少の収入があっても、一定以下なら非課税になることもあります。

住民税非課税世帯になるための条件は、住んでいる自治体によって異なりますが、ここでは東京23区内の具体的な条件を見てみましょう。

3.1 住民税非課税世帯に該当する所得要件(東京都23区内)

(1) 生活保護法による生活扶助を受けている方
 
(2) 障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方
 
(3) 前年中の合計所得金額が下記の方

  • 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
  • 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下

ここで、同一生計配偶者や扶養親族がいない場合、所得が45万円以下だと住民税非課税世帯になるというわけです。

ただし、「所得」と「年収」は違うので、ちょっとイメージしにくいかもしれませんね。

年収について、東京都港区では、住民税非課税世帯になる目安は次のようになっています。

3.2 住民税非課税世帯に該当する年収(港区)

【写真1枚目/全4枚】港区における住民税非課税世帯の年収条件。写真後半では「年代別の住民税非課税世帯の割合」を一覧表で比較1/4

港区における住民税非課税世帯の年収条件

出所:港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」

  • アルバイトやパート:給与収入が100万円以下
  • 65歳以上で年金受給のみ:年金収入が155万円以下
  • 65歳未満で年金受給のみ:年金収入が105万円以下
  • 不動産収入等所得:収入から必要経費を引き、合計所得が45万円以下(令和2年度まで35万円以下)

給与収入の場合、年収目安が100万円ですが、年金収入では65歳以上で155万円、65歳未満で105万円となっています。

次の章では、年代別に住民税非課税世帯の割合もチェックしてみましょう。

4. 年代別「住民税非課税世帯」を比較!高齢者が多いのは本当?

厚生労働省が7月5日に発表した「令和5年国民生活基礎調査」のデータによると、年代別の住民税非課税世帯の割合は以下のとおりとなりました。

住民税非課税世帯の年代別割合2/4

【一覧表】住民税非課税世帯の年代別割合

出所:厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成

  • 30歳代:12.0%
  • 40歳代:10.0%
  • 50歳代:13.6%
  • 60歳代:21.7%
  • 70歳代:35.9%
  • 80歳代:52.5%
  • 65歳以上(再掲):38.1%
  • 75歳以上(再掲):49.1%

年齢が上がるにつれて「住民税非課税世帯」の割合が増えていく傾向がわかります。

例えば、75歳代では半数近くが住民税非課税世帯に該当していますね。

ただし、住民税非課税世帯の要件には保有資産は含まれません。つまり、年金収入が155万円未満の人が、多くの資産を持っていても、給付金の対象になる可能性があります。

5. 70歳代の平均貯蓄額はいくら?平均と中央値をチェック

ここからは、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」から、70歳代の単身世帯・二人以上世帯の貯蓄額を確認していきましょう。

5.1 70歳代の単身世帯の貯蓄一覧

  • 金融資産非保有:26.7%
  • 100万円未満:5.8%
  • 100~200万円未満:4.3%
  • 200~300万円未満:4.1%
  • 300~400万円未満:3.3%
  • 400~500万円未満:2.5%
  • 500~700万円未満:6.6%
  • 700~1000万円未満:5.1%
  • 1000~1500万円未満:8.6%
  • 1500~2000万円未満:5.3%
  • 2000~3000万円未満:8.2%
  • 3000万円以上:17.3%

平均:1529万円
中央値:500万円

5.2 70歳代の二人以上世帯の貯蓄一覧

ここからは、二人以上世帯における貯蓄額を確認していきます。

  • 金融資産非保有:19.2%
  • 100万円未満:5.6%
  • 100~200万円未満:5.1%
  • 200~300万円未満:4.3%
  • 300~400万円未満:4.7%
  • 400~500万円未満:2.5%
  • 500~700万円未満:6.2%
  • 700~1000万円未満:5.8%
  • 1000~1500万円未満:10.2%
  • 1500~2000万円未満:6.6%
  • 2000~3000万円未満:7.4%
  • 3000万円以上:19.7%

平均:1757万円
中央値:700万円

データを見ると、3000万円以上の資産を持っている世帯もあり、比較的余裕のある家庭も少なくないことがわかります。

とはいえ、「金融資産が全くない」という世帯も存在します。特に、単身世帯で26.7%、二人以上世帯でも19.2%がその状況にあることがわかります。

貯蓄が少ない世帯や年金が少ない高齢者にとって、給付金は大きな支えとなっていると考えられます。

6. まとめにかえて

今回は、住民税非課税世帯について解説してきました。年金で暮らす高齢者が該当することが多いことがわかりましたね。

現在は「平均寿命の延び」や「公的年金の不安」、さらに「物価上昇」などの影響で、60歳を過ぎても貯蓄を続ける人が増えています。

セカンドライフの準備って、本当に人それぞれです。例えば、現役時代にしっかり老後資金を準備して、老後はその貯蓄を「切り崩しながら」生活する人もいれば、退職後もコツコツと貯蓄を続ける人もいます。

また、特に準備をしていない「金融資産なし」の世帯も少なくありません。

将来に備えるためには、月々の収支を見直して、少しでも「貯蓄額」を増やすことが大事です。インフレの影響で必要なお金も年々増えているので、早めに老後を考えて行動したいところです。

そのためには、「貯蓄」だけじゃなくて「投資」を上手に活用するのも一つの手です。

ただし、投資はリスクがあるので、自分に合った資産運用を選び、リスクと上手に付き合っていくことが大切です。まずは将来について考える時間をとってみましょう。

参考資料

齊藤 慧