お盆休みを利用し、故郷でのお墓参りを予定しているご家庭も多いのではないでしょうか。
家族や親族と墓掃除をしたり、お花を供えたり、手を合わせてお参りしたりなど有意義な時間を過ごすなかで、もしかすると今後のお墓の管理について何となく不安な気持ちになることがあるかもしれません。
「お墓を守る跡継ぎがいなくて墓じまいを検討しているけれど、費用はどの程度かかるかが気になる……」そんな方もいるでしょう。
そこで今回は、お盆前に少しだけ意識を傾けておきたい「これからのお墓のこと」について、各種調査結果を交えながら考えていきたいと思います。
1. お盆を機に考えたい「これからのお墓」のこと
1.1 増加傾向にある「お墓はいらない」派
お墓は亡くなった方の遺骨を収蔵する場所であり、「家の根」「心の拠り所」とも呼ばれている大事な場所。お盆やお彼岸、故人の命日や悩みがあったときにお墓参りをするのが習慣になっている人も多いはずです。
その一方で、株式会社AlbaLinkが20代以上の男女500人を対象に「墓じまいに関する意識調査」をおこなったところ、墓じまいを希望している人が約7割と、多数派であることが分かりました。
【Q. 墓じまいをしたいと思いますか?】
- とても思う…33.6%
- やや思う…37.2%
- あまり思わない…19.8%
- まったく思わない…9.4%
墓じまいをしたいと「とても思う」「やや思う」と答えたのは全体の70.8%。「あまり思わない」「まったく思わない」を大幅に上回る結果となっています。
1.2 墓じまいをしたい理由に見える「社会背景」
なぜ墓じまいをしたいと思うのか、「とても思う」「やや思う」人に理由を聞いたところ、次のような回答が寄せられています。
【Q. 墓じまいを検討する理由は?】
- 維持管理・墓参りが大変…218人
- 跡継ぎがいない…92人
- 子どもに負担をかけたくない…43人
- 維持費がかかる…34人
- 実家・親族と関わりたくない…14人
※複数回答あり
1番多かったのは「維持管理・墓参りが大変」というもの。都市化や過疎化などで物理的にお墓が遠くなり、お墓参りや定期的なメンテナンスが肉体的・経済的に負担になっている人が多いようです。
また2位と3位の「跡継ぎがいない」「子どもに負担をかけたくない」という理由も多く、背景に少子化や未婚率の増加などが垣間見えます。ご先祖を思う気持ちはあれど、肉体的・経済的・精神的に負担が付きまとうのは墓じまいを検討するのにもっともな理由といえるでしょう。