8月15日は年金支給日でした。一般的な夫婦世帯には「月に約23万円」が支給されています。

「年金として23万円も受け取れる」と聞くと、意外と多いと感じた方もいるかもしれませんが、どのような世帯が年金として月に23万円も受け取れるのでしょうか。

本記事では、さまざまなモデルケース別に「夫婦世帯」が受け取れる年金額例を紹介していきます。

ご自身の現在の収入と比較しながら、自分の年金額を知る参考にしてください。

1. 年金受給額「月約23万円」の一般的な夫婦世帯とは?

公的年金は、年度ごとに金額改定がされており、2024年度の年金は2.7%の増額となります。

厚生労働省は毎年、改定後の「国民年金」と「厚生年金」それぞれの年金額例を公表しています。

厚生労働省が公表した資料によると、2024年度の年金額例は下記のとおりです。

【写真3枚】1枚目/2024年度 年金額の例、2枚目/片働き世帯の年金額の例

2024年度 年金額の例

出所:厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」

【2024年度の年金額の例】

  • 国民年金(老齢基礎年金):6万8000円(1人分)
  • 厚生年金:23万483円(夫婦2人分)

国民年金は20〜60歳の人が原則加入対象となっており、保険料を一定期間納めていた場合は誰でも受給できます。

上記の金額は、40年間未納なく保険料を納めていたケースである「満額受給」の金額となっています。

なお、国民年金の金額例は「1人分」となっていますが、厚生年金は「夫婦2人分」の年金額となっています。

厚生年金は、厚生労働省がいわゆる「一般的な夫婦世帯」として例示した、国民年金を含む夫婦2人分のモデル年金であり、月に23万483円です。

ここでいう「一般的な夫婦世帯」とは、下記のような夫婦を指します。

  • 夫または妻が平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業
  • 夫または妻が専業主婦で夫婦ともに国民年金を40年間未納なく納めている

上記のケースをここでは一般的な夫婦世帯としており、この世帯に近い世帯状況であれば月に約23万円の年金を受け取れます。

内訳としては下記のとおりです。

  • 夫:厚生年金:9万4483円、国民年金:6万8000円
  • 妻:国民年金:6万8000円

しかし上記は、片働き世帯がモデルとなっており、共働き世帯が多くなった現代ではあまり参考にしにくいケースといえます。

さらに、平均的な収入が「43万9000円」と限定的であり、標準モデルよりも収入が低い人にとっては、年金額のイメージがつきにくいかもしれません。

そこで次章では、片働き・共働きそれぞれで年収パターン別に、夫婦で受け取れる年金額を確認していきましょう。