3. 老齢年金から税金・社会保険料がいくら天引きされる?
総務省の「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における、税金・社会保険料は平均3万1538円でした。
- 実収入(額面の金額):24万4580円
- 可処分所得(手取り収入):21万3042円
- 非消費支出(税金・社会保険料):3万1538円
非消費支出の内訳は、直接税が1万3090円、社会保険料が1万8435円となっています。
天引き額は収入や世帯状況によって異なりますが、額面の10〜15%が天引きされるケースが一般的です。
老後の家計収支を考える際は、額面の85〜90%を「手取り額」と想定し、手取り額の年金額でシミュレーションを行えると良いでしょう。
4. 「年金振込通知書」を確認しよう
本記事では、老齢年金から天引きされる税金・社会保険料について詳しく紹介していきました。
現役世代の間も「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」などで、年金見込額を確認できますが、記載されている金額は額面の金額であり、実際に振り込まれる「手取り額」ではないため注意しましょう。
年金受給が開始されている場合は、毎年6月頃に「年金振込通知書」が送付され、こちらの通知書には「天引き額」と「手取り額」が記載されているため、必ず確認しておけると良いでしょう。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金振込通知書」
- 国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」
- 国税庁「復興特別所得税(源泉徴収関係)Q&A」
- 総務省「公的年金からの特別徴収」
- いわき市「年金を受給されている65歳以上の方の個人住民税(市民税・県民税)の年金特別徴収について」
- 日本年金機構「年金Q&A(年金からの介護保険料などの徴収)」
和田 直子