3. 親世帯に仕送りする世帯も多い?仕送り世帯の割合を確認
総務省統計局の「令和4年国民生活基礎調査」によると、親世帯に仕送りをしている世帯は「104万7000世帯」となりました。
金額別における親世帯に仕送りをしている世帯数は下記のとおりです。
3.1 金額別!親世帯に仕送りをしている世帯数の一覧
- 2万円未満:12万8000世帯
- 2~4万円:31万3000世帯
- 4~6万円:21万4000世帯
- 6~8万円:6万6000世帯
- 8~10万円:4万2000世帯
- 10万円以上:19万7000世帯
- 不詳:8万8000世帯
1世帯あたりの平均仕送り額は「5万6000円」で、10万円以上親へ仕送りをしている世帯は全体の18.8%を占めています。
上記の結果から、年金だけでは生活が赤字でも「仕送りの援助をしてもらえれば生活できる」と感じてしまいますが、実際は仕送りをしていない世帯のほうが多いです。
総務省統計局の同調査によると、親世帯に仕送りをしている世帯が「104万7000世帯」であるのに対して、仕送りをしていない世帯は「5153万世帯」です。
つまり、親に仕送りをしている世帯は、全体の約2%程度であり、子供から親へ仕送りをする世帯は少数派であることがみてとれます。
上記をふまえ、仕送りに頼らなくても生活できるように、現役世代のうちに老後資金の準備をしておくことが大切になるでしょう。
4. 老後の収支シミュレーションをしてみよう
本記事では、シニア世代の年金事情について紹介していきました。
年金だけで生活できない高齢者世帯は41.7%であり、約2世帯に1世帯が100%年金だけで生活していくのが難しいとされています。
生活費の補填として「子どもに仕送りをしてもらう」という選択肢もありますが、実際のところ親へ仕送りをしている世帯は約2%しかいません。
安心した老後生活を送るために、ご自身の年金見込額をしっかりと把握し、収支シミュレーションをしたうえで、老後の赤字額をカバーできるように老後資金の準備をしておきましょう。
その際、預貯金だけでなく資産運用も活用することで、複利の効果で効率的に資産を増やすことができるため、NISAやiDeCoといった節税優遇制度を利用しながら老後に向けた準備をしていくことをおすすめします。
参考資料
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「令和4年国民生活基礎調査」
- 内閣府「令和6年版 高齢社会白書」
太田 彩子