1.1 公的年金・恩給を受給している高齢者世帯

  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯:41.7%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が80%~100%未満の世帯:17.9%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満の世帯:13.9%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満の世帯:13.2%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~60%未満の世帯:9.3%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満の世帯:4.0%

高齢者世帯の半数以上が年金だけでは生活できておらず、約2世帯に1世帯が、就労所得や老後資金から生活費を補填していることがわかります。

さらに、厚生労働省の同調査によると、65歳以上の高齢者世帯の59.0%が「生活が苦しい」と回答しています。

これらのデータから、現状の公的年金制度だけでは多くの高齢者世帯の老後の生活費を十分に賄えておらず、結果として生活に困窮している高齢者が増加しているとうかがえます。

では、現在のシニア世代は、どのくらいの額の公的年金を受け取っているのでしょうか。

次章にて、国民年金・厚生年金の平均月額を確認していきましょう。

2. 国民年金・厚生年金の平均月額はいくら?

次に、日本の公的年金である「国民年金」と「厚生年金」の平均月額を見ていきましょう。

国民年金は、原則日本に住む「20歳以上60歳未満の人全員」が加入対象で保険料は一律です。

一方で厚生年金は、主に「会社員や公務員など」が加入対象で、保険料は収入に応じて変わります。

厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金と厚生年金(国民年金を含む)それぞれの平均月額は下記のとおりです。