2. 老後に向けた資産形成のポイント

貯蓄が一向に進まないと、将来の年金生活に不安を感じる方も多いでしょう。

ここからは、老後に向けて就職氷河期世代ができることについて解説していきます。

2.1 まずは1年分の生活資金を貯めよう

老後資金と聞くと、新NISAなどをイメージする方も多いかもしれません。

しかし、老後の備えの前に、1年間生活できる預貯金を貯めましょう。

たとえば毎月20万円支出しているなら、240万円の貯蓄が必要です。

リストラや病気など万が一の事態に陥った際に、まとまった現金がないと一気に生活が崩れてしまいます。

1年分の生活資金があれば、何とか立て直せる可能性が高いでしょう。

2.2 貯蓄の資金を捻出するには?

貯蓄するための資金を捻出するには、収入を増やすか支出を減らす必要があります。

就職氷河期世代の場合、年齢面から考えて、転職で収入を上げるのは難しいかもしれません。

よって、現実的に考えられる方法は以下のとおりです。

  • 格安SIMの導入・引っ越しなどで固定費を減らす
  • 保険(生命・医療・自動車など)のプランを見直す
  • 水道や電気の使い方を見直して水光熱費を減らす
  • 自炊や割引された食品などの活用で食費を抑える
  • フリマアプリで不用品を売却・中古品を安く買う
  • アルバイトや副業で収入を得る

転職以外で収入を上げるなら、アルバイトまたは副業で稼ぐのが主な方法です。

現在は「スキマバイトアプリ」と呼ばれる、面接や履歴書なしですぐ働けるアプリもあるため、すぐお金を手に入れたい方は利用してみるのも良いでしょう。

長期的な収入源を作りたい方は、副業にチャレンジするのも1つの手です。

ネットを使って自宅でできる副業・在宅ワークも数多くあるので、自分に合うものがあるか、探してみてください。

ただし、会社によっては副業を禁止しているところもあるため、就業規則などを確認しておきましょう。

2.3 新NISAまたはiiDeCoで老後のための資産形成

1年分の生活資金が貯まり、余剰資金が生まれたら、新NISAやiDeCoで資産形成にトライしましょう。

両者ともに税制優遇があり、運用で得られた利益は非課税扱いになります。

うまく活用すれば、老後の生活を支える貴重な資産を築けます。

投資にはリスクもあるため、学んで納得したうえで始めてください。

3. まとめにかえて

今回の調査結果から、就職氷河期世代は貯蓄ができている層とできていない層の二極化が進んでおり、老後で明暗が分かれると想定されます。

非正規雇用で働く方などは年金の支払額もそれほど多くない場合、老後は公的年金だけでは生活費がまったく足りなくなる恐れもあります。

物価高で厳しい中でも、何とかして貯蓄を進めるためのお金を捻出することが大切です。

参考資料

安藤 真一郎