公的年金の2024年度の支給額は、物価や賃金の上昇を反映して2.7%引き上げられています。
増額は2年連続となり、実はこの引き上げ幅はバブル期以来、もっとも高い引き上げ率でした。
ただし、将来世代の年金のため、今の年金を抑制する措置も2年連続で発動し、実質的な価値は目減りしているという結果になりました。
そして年金問題の一つの要因である、少子高齢化。
1年間に生まれる子どもの人数を「出生数」といいますが、ニュースでも度々話題になっています。
出生数のピークである1973年は209万人でした。
それが、2016年には初めて100万人を割り、2023年は72万7277人という現状に。年金制度は賦課方式で運営されている以上、支える現役世代が増えるほどに維持が難しくなることが懸念されます。
なかなか明るい話題がない年金問題ですが、今回は現状の一般家庭の年金受給額を60歳~89歳までそれぞれ見ていきましょう。
1. もうすぐ年金支給日!一般家庭での金額はいくら?
平均受給額を見る前に、2.7%の増額改定となった2024年の年金額から見ていきます。
2回目の年金支給日が8月15日に迫っていますが、どれほどの金額が見込まれているのでしょうか。
1.1 年金額例(厚生労働省による一般家庭の例)
- 国民年金:満額で6万8000円(1人あたり)
- 厚生年金:一般的な夫婦合計で23万483円
国民年金は満額で、厚生年金は”平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」”という条件のもと試算されたものです。
そのため、あくまでも目安のひとつとなるでしょう。
なお、年金額には個人差が多く、十分な年金が受け取れていない人もいます。政府は年金世帯や低所得世帯に対して、追加で給付金を支給することも検討を始めました。
次章にて、直近の統計調査から「2022年度末時点の年金額」の平均を見ていきます。