4. 物価の上昇も深刻な問題に
年金受給額の実態を紹介しました。自分自身の年金額を知りたい方は、ご自身のねんきん定期便やねんきんネットでぜひ確認してみてください。
また、今年は5年に1度の財務検証が行われました。
財務検証とは、社会や経済の変化を踏まえ、100年先まで見通して公的年金財政の持続性を点検するものです。
公的年金制度に大きな影響を及ぼす可能性がある財務検証結果は、厚生労働省のHPの「政策について」内、「年金・日本年金機構関係」にて内容の確認できます。
こちらもぜひ注目してみましょう。
今の現役世代の方は、現状の年金受給額よりも将来の年金受給額が目減りする可能性が高く、物価の上昇も深刻な問題です。
年金制度や少子高齢化、物価の上昇など、これらの問題を個人では解決することはできませんが、現状を理解した上で資産をどう築いていくか、個人の判断が重要になってきています。
4.1 【ご参考】厚生年金の平均年金月額(全年齢)
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
4.2 【ご参考】国民年金の受給額(全年齢)
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
4.3 【ご参考】現役時代の収入ごとの年金例
- 夫が報酬54万9000円+妻が報酬37万4000円:33万4721円
- 夫が報酬43万9000円+妻が報酬30万円:29万4977円
- 夫が報酬32万9000円+妻が報酬22万5000円:25万5232円
- 夫が報酬54万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:28万4588円
- 夫が報酬43万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:26万967円
- 夫が報酬32万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:23万7346円
- 妻が報酬37万4000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:24万7101円
- 妻が報酬30万円+夫が短時間労働者の平均的な収入:23万978円
- 妻が報酬22万5000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:21万4854円
- 夫婦ともに短時間労働者だった場合の平均的な収入:19万6968円
- 夫が報酬54万9000円+妻が国民年金のみ加入:25万4104円
- 夫が報酬43万9000円+妻が国民年金のみ加入:23万483円
- 夫が32万9000円+妻が国民年金のみ加入:20万6862円
- 妻が報酬37万4000円+夫が国民年金のみ加入:21万6617円
- 妻が報酬30万円+夫が国民年金のみ加入:20万494円
- 妻が報酬22万5000円+夫が国民年金のみ加入:18万4370円
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
橋本 高志