1.1 【一覧表】富裕層の世帯数とその保有資産規模

  • 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
  • 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
  • マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円

日本の超富裕層や富裕層の資産規模や割合は増加傾向にあり、今後さらにその資産の偏りが大きくなると予想されています。

一般家庭では生活が困窮している世帯も少なくないなか、なぜ日本では富裕層が増え続けているのでしょうか。次章にて考察していきます。

2. 日本で富裕層が増え続けている理由

日本では年々富裕層が増えていますが、その一つとして日本の経済成長が考えられます。

その他、相続や贈与による影響も考えられるでしょう。

2.1 相続によって資産が増える構造

三井住友トラスト・資産のミライ研究所が実施したアンケート調査によると、「相続を受けたことがある」と回答した人の相続資産規模は平均で2346万円でした。

  • 20~29歳:906万円
  • 30~39歳:2628万円
  • 40~49歳:1677万円
  • 50~59歳:2850万円
  • 60~69歳:2463万円
  • 平均:2346万円

少子高齢化が進む現代において、兄弟姉妹の数が少なくなる傾向があります。一人っ子が増えることで、資産の受け渡しが一人に集中しやすいといえるでしょう。

これまで分散されていた相続が、1人に集中することで富裕層の仲間入りを果たす人もいると考えられます。

参考までに、相続した資産種別にも見てみましょう。

「現預金」が含まれていた方が約7割、不動産(住居)、不動産(土地)などが含まれていた方がそれぞれ約4割という結果になりました。

「株式」や「債券」「投資信託」などの金融商品を相続している人も多いようです。

現金以外が相続財産に含まれていると、日本の経済成長していくにつれて金融商品の価値が上昇し、結果として資産が大幅に増えると考えられます。

言い換えると、インフレや円安、日経平均株価の下落などの局面において、相続した資産をどのように管理していくのかを考えることが、今後いっそう重要になってくるでしょう。

<調査概要>

  • 三井住友トラスト・資産のミライ研究所「相続資産の規模と形態について」
  • 対象年齢:20歳~69歳
  • 回答者数:1766人
  • リリース公開日:2022年11月16日

次章からは、どのようにお金を使い、どのように守っていくといいのかについて、富裕層の共通点から学んでいきましょう。