住民税非課税世帯に対して「1世帯あたり10万円」の給付が進められています。

給付スピードは自治体によって異なり、例えば東京の杉並区では、国からの「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用して住民税非課税世帯および住民税均等割のみ課税となる世帯に対して10万円を支給することを発表し、2024年7月25日から受付を開始しています。

さらに、岸田総理は記者会見において、「秋に策定することを目指す経済対策の一環として講じる対策」について表明しました。

具体的には、年金(生活)世帯や低所得者世帯に対して追加の給付金支給を検討しています。

そこで今回は、そもそも住民税非課税世帯や低所得世帯とはどのような世帯が当てはまるのか実際に見ていきましょう。

1. 住民税非課税世帯等への10万円給付「締め切り」迫る自治体も

2024年度に新たに住民税非課税世帯等に該当した世帯に対し、現金10万円の給付が進んでいます。ただし、2023年度に給付金の該当となった人(未申請者・辞退者も含む)は対象外です。

  • 世帯全員の2024年度住民税均等割が非課税である世帯
  • 世帯全員が2024年度住民税均等割のみ課税者である世帯
  • 2024年度住民税均等割のみ課税者と住民税均等割非課税者で構成される世帯

いずれも定額減税前の金額で判定されます。

支給のスケジュールは自治体によって異なりますが、7月から受付を開始した自治体が多いです。

申請が不要というケースもありますが、転入のタイミングなどによっては申請が必要になります。この場合の締め切りも自治体によって異なります。

1.1 10万円給付の締切日の例

  • 杉並区:10月31日消印有効
  • 横浜市:10月25日必着
  • 神戸市:9月11日消印有効
  • 水戸市:9月30日消印有効

1.2 2023年度の給付金がまだ締め切られていない自治体も

2023年度の7万円・10万円の給付金はほとんどの自治体で申請が締め切られました。

ただし、例えば船橋市は子どもの5万円加算のみ8月末まで申請を受け付けています。お住まいの最新情報を確認してみましょう。

2. そもそも「住民税非課税世帯」とは?所得があっても該当する?

給与所得者の場合、住民税は毎月の給与から天引きされていると思います。

住民税は前年の所得をもとに決定されるので、所得が0円であれば非課税となります。しかし、所得が一定以下の場合でも該当します。

目安の所得は自治体によって多少異なるのですが、参考までに、東京23区内における条件を確認しましょう。

2.1 東京都23区内で「住民税非課税世帯」に該当する条件

(1) 生活保護法による生活扶助を受けている方
 
(2) 障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方
 
(3) 前年中の合計所得金額が下記の方

  • 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
  • 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下

「同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合」の目安は所得45万円以下となっています。目安となる年収換算も確認しましょう。

2.2 住民税非課税世帯に該当する年収(港区のケース)

東京都港区では、住民税非課税世帯に該当する年収として以下のとおりとしています。

【写真1枚目/全2枚】港区における住民税非課税世帯の年収条件。写真後半では「年代別の住民税非課税世帯の割合」を一覧表で比較1/2

港区における住民税非課税世帯の年収条件

出所:港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」

  • アルバイトやパートの給与収入が100万円以下
  • 65歳以上で年金受給のみの人は、年金収入が155万円以下
  • 65歳未満で年金受給のみの人は、年金収入が105万円以下

給与収入の場合、年収目安は100万円です。これを下回る場合は住民税非課税世帯になる可能性が高いでしょう。

一方、年金生活になると、そのラインは65歳未満で105万円、65歳以上で155万円にあがります。

つまり、年金生活者の方が住民税非課税世帯に該当しやすいといえるでしょう。実際に、年代別の住民税非課税世帯の割合も確認してみましょう。

3. 「住民税非課税世帯」最新データから年代別の割合を比較

厚生労働省の最新版である「令和5年国民生活基礎調査」より、年代別の住民税非課税世帯の割合(全世帯に占める住民税非課税世帯の割合)を見ていきましょう。

住民税非課税世帯の年代別割合2/2

【一覧表】住民税非課税世帯の年代別割合

出所:厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成

  • 30歳代:12.0%
  • 40歳代:10.0%
  • 50歳代:13.6%
  • 60歳代:21.7%
  • 70歳代:35.9%
  • 80歳代:52.5%
  • 65歳以上(再掲):38.1%
  • 75歳以上(再掲):49.1%

高齢者ほど、住民税非課税世帯の割合が高まります。

そもそも現役時代に比べて収入が減ること、さらに住民税非課税世帯の目安となる「所得45万円」は、給与収入より年金収入のほうが高くなることも影響していると考えられます。

4. 年金世帯や低所得者世帯を対象とした「追加の給付金」以外にも助成あり

岸田総理は、冒頭発言において「物価高の中で食費の高騰などに苦しんでおられる年金(生活)世帯や低所得者世帯を対象として、追加の給付金で支援することを検討いたします。」と明言しましたが、他にも助成について言及しています。

例えば、「酷暑乗り切り緊急支援」として、8月~10月の電気・ガス料金補助が始まっています。9月請求分から実感する家庭が多いのではないでしょうか。

また、

  • 学校給食費等の保護者負担の軽減
  • 飼料高騰などの影響を受ける酪農経営などの農林水産業、中小企業、医療・介護、保育、学校施設、公衆浴場、地域公共交通、物流、地域観光業等に対する物価高騰への幅広い支援

上記の施策も同時に進めるとしています。

政府の動向に注視しましょう。

5. まとめにかえて

今回は、低所得者世帯や住民税非課税世帯に対しての給付が検討されていることについて見てきました。物価上昇に伴いこういった支援がされることは、年金生活者や低所得世帯にとってはとてもありがたいことです。

しかし、それ以外の給付が受けられない世帯は物価の上昇に対して恩恵はないため、自助努力で対応していかなければなりません。

また、今の現役世代が老後生活を迎えたとき、同様に支援が受けられるという保障もありません。

老後資金に対する3つの準備方法として掲げられているのが、「年金」「貯金」「自助努力」です。

ただし、これはあくまでも目安となる方法であり、大事になるのは一人ひとりの考えに合った方法を選ぶことです。

まずはご自身の老後をどのように過ごしたいか、目を向けていくところから始めてみましょう。

参考資料

渡邉 珠紀