4. 住民税非課税世帯の年収目安はいくらか
追加給付金は低所得世帯が対象ですが、その一つとして考えられるのが「住民税非課税世帯」です。
住民税が非課税となる目安は、世帯1人あたりの年収がおおむね45〜180万円程度と考えられます。ただし、住んでいる自治体や扶養人数、世帯構成によって住民税が非課税になる条件は異なります。
自分の住む世帯が住民税非課税世帯かどうかを確認するには、市区町村窓口へ問い合わせるほか、自分で計算式を用いて確認する方法があります。
住民税の課税・非課税を判断する計算式について、詳しく紹介します。
4.1 【東京都23区】住民税非課税世帯の要件
東京都23区内に住む人の場合を例に、住民税非課税世帯となる要件を確かめてみましょう。住民税の課税・非課税を判断するには、以下の式を用います。
<住民税が非課税(所得割・均等割どちらも非課税)>
- 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下 - 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合
45万円以下
<住民税の所得割のみ非課税(均等割のみ課税)>
- 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+42万円以下 - 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合
45万円以下
住民税は、所得に応じて負担する金額が変わる所得割、課税対象者が均一に負担する均等割で構成されています。
住民税非課税世帯とみなされるのは「所得割・均等割どちらも非課税」「所得割のみ非課税で均等割のみ課税」の世帯です。
既に始まっている住民税非課税世帯への給付金は、世帯主の年収が上記の計算式で算出された金額を下回れば給付の対象となります。
たとえば、独身世帯であれば45万円以下、4人家族であれば182万円以下の場合が給付対象です。
現在検討中の追加給付金も、同様の条件で支給される可能性が考えられます。
国の発信する情報を都度チェックしてみるとよいでしょう。
5. まとめにかえて
低所得世帯や年金世帯への追加給付は、収入が限定的な世帯にとって有益な支援策になると考えられます。
デフレ脱却を目指すためにも、給付内容については今後も注視する必要があるでしょう。
政府の経済施策の目標は「持続的かつ安定的に物価の2%上昇=経済成長を実現すること」です。
しかし、現状では物価上昇によるマイナス面が目立っています。
今後の追加給付や支援策により、難しい局面を打破できるかが、経済成長の鍵となるでしょう。
参考資料
- 衆議院「国会会期一覧」
- 気象庁「向こう3か月の天候の見通し 全国 (07月~09月)」
- 首相官邸「岸田内閣総理大臣記者会見(2024年6月21日)」
- 経済産業省資源エネルギー庁「電気・ガス価格激変緩和対策事業」
- 内閣官房「定額減税・各種給付の詳細」
- 内閣官房「新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置」
- 国税庁「定額減税について」
- 首相官邸「第二百十二回国会における岸田内閣総理大臣所信表明演説」
- 国税庁「No.2875 居住者と非居住者の区分」
- 江戸川区「定額減税しきれないと見込まれる方への給付金(調整給付)」
- 新宿区「令和6年度分 新宿区物価高騰対策臨時給付金 - 調整給付(定額減税しきれないと見込まれる方への給付)について」
- 墨田区「定額減税しきれないと見込まれる方への調整給付について」
- 上越市「所得税・個人住民税から定額減税しきれないと見込まれる方への給付金(調整給付)」
- 経済産業省資源エネルギー庁「燃料油価格激変緩和補助金」
- 経済産業省資源エネルギー庁「レギュラーガソリン」
- 経済産業省資源エネルギー庁「激変緩和事業の延長・拡充」
- 東京都主税局「個人住民税」
石上 ユウキ