2. 社会保険が義務化になる背景と主婦年金の廃止検討
なぜ政府は社会保険の適用拡大を進めているのでしょうか。主な理由として、以下の3つが挙げられます。
- 社会保障の充実
- 働き方の選択肢増加
- 主婦年金の廃止検討
労働契約で雇われているにもかかわらず厚生年金に加入できないのは、同じような雇用形態で働くほかの人と比べて不平等です。
厚生年金や健康保険に加入することでより手厚い保障を実現すべく、社会保険の適用拡大が進められています。
また、年収の壁を突破して働き方の選択肢を増やせる環境をつくるのも、社会保険拡大の理由です。
社会保険料の納付を避けて年収を一定額以下に抑える働き方は、年収アップを目指したい人にとっては理想的な働き方とはいえません。
目指すべきキャリアを阻害しないよう、政府は社会保険の適用を拡大しています。
そして、いわゆる「主婦年金」の廃止を検討していることも社会保険の適用拡大を目指す理由と考えられます。
主婦年金とは、専業主婦などの親族に扶養される人である「国民年金第3号被保険者」が受け取る年金のことです。
共働きや女性の社会進出にともない、主婦年金の意義には問題提起がされています。
2024年5月23日に開催された「第6回経済財政諮問会議」でも「第3号被保険者制度の縮小」が提言されていました。
充実した保障で誰もが活躍できる社会を目指すべく、社会保険の適用拡大が進められているのです。