年金月額の改定により、2024年6月14日受給分から原則2.7%引き上げになりました。

これにともない、国民年金と厚生年金の受取金額も変更になっています。

日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」によると、2023(令和5)年度と2024(令和6)年度の年金額の比較は下記のとおりです。

〈国民年金(老齢基礎年金(満額))〉

  • 2024(令和6)年度(月額):6万8000円
  • 2023(令和5)年度(月額):6万6250円

〈厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)〉

  • 2024(令和6)年度(月額):23万483円
  • 2023(令和5)年度(月額):22万4482円

この記事では、仕事を退職して年金生活が始まる60歳代夫婦の貯蓄額や年金受給額について解説します。

1. 【60歳代夫婦】年金収入のみで生活できる世帯は41.7%

厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、65歳以上の人がいる世帯は2695万1千世帯で、全世帯の49.5%です。

公的年金・恩給のみで生活できる高齢者世帯は、全体の41.7%でした。

【写真全7枚中1枚目】高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合。2枚目以降では、60歳代・二人以上世帯の金融資産保有額などを掲載。

高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」

1.1 公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

  • 公的年金・恩給の割合が100%の世帯:41.7%
  • 公的年金・恩給の割合が80~100%の世帯:17.9%
  • 公的年金・恩給の割合が60~80%の世帯:13.9%
  • 公的年金・恩給の割合が40~60%の世帯:13.2%
  • 公的年金・恩給の割合が20~40%の世帯:9.3%
  • 公的年金・恩給の割合が20%未満の世帯:4.0%

令和シニアにとって、公的年金や恩給だけで生活費をまかなうことの難しさがわかります。

次の章では、そんな60歳代夫婦の世帯の平均貯蓄額と中央値の割合を見ていきましょう。