1.2 海外資産に投資する株式は為替変動にも注意

米国株・世界株など海外の資産に投資している投資信託は、為替変動にも注意が必要です。投資信託は、日本であれば多くが「円」ベースで購入ができます。

一方で、たとえば米国株がドル建て取引されるように、多くの海外資産はその国の通貨で取引されます。

海外資産に投資する投資信託は、ファンドの中で為替変換をするなどして海外資産へ投資しているため、実は為替リスクが発生しているのです。

急速な円高が進む局面では、投資先の市場や株価指数が横ばいや上昇していても、為替によって損失が発生する可能性があります。逆に円安であれば、基準価額の上昇要因となります。

この為替変動の影響も、基準価額を上下させる要因となることをおさえておきましょう。

1.3 過去の下落率はどれくらい?

米国の代表的な株価指数であるS&P500の1980年以降の下落局面を見てみると、次のように直近の高値から半値以下になった事例もあります。

【写真1枚目/全2枚】S&P500の1980年以降の下落局面/次ページでは積立・分散投資の効果を紹介

S&P500の1980年以降の下落局面

参考:三井住友DSアセットマネジメント「米国株はいつ下げ止まるか~過去の弱気相場入り局面を検証する」をもとに筆者作成

ITバブルの崩壊があった2000年や、リーマン・ショックが起こった2007年などは、直近高値から50%前後の下落を記録しています。

もし当時、S&P500と連動するインデックス投資を行っていた場合、資産額が半分近くまで減少していた可能性があるのです。

新NISAでは資金のほとんどを株式へ投資するファンドが人気ですが、過去の事例にもとづくと、大幅に下落するタイミングを経験する可能性があることを、念頭に置いておく必要があります。