住民税非課税世帯への10万円給付が検討されました。

昨年に引き続き、2024年度に新たに住民税非課税世帯等に該当した世帯には、同様に10万円が給付されます。さらに、18歳以下の子どもがいるご家庭には追加で子ども1人あたり5万円を給付する方針です。

このように近年の物価上昇の対策が多数検討されており、政府の方針に関心が高まっている方も多いのではないでしょうか。

自分は給付対象なのかが気になる方もいるでしょう。今回は、住民税非課税世帯の年収目安と年代別割合を見ていきます。

1. 年金世帯や低所得者世帯への「追加の給付金」とは?

岸田総理は、2024年6月21日の記者会見において「物価高の中で食費の高騰などに苦しんでおられる年金(生活)世帯や低所得者世帯を対象として、追加の給付金で支援することを検討いたします。」と明言しました。

現在は「2024年度の新たな住民税非課税世帯等」に対し、1世帯当たり10万円の給付金支給が進められている最中です。

そのため、秋の給付は「追加の給付金」ということになります。

追加給付以外にも8月~10月の電気・ガス料金補助を行う「酷暑乗り切り緊急支援」も進められており、給付額など追加の情報が待たれます。

では、「10万円給付」はどのような世帯に支給されるのでしょうか。対象世帯の具体的な年収目安などを確認していきましょう。

2. 「住民税非課税世帯」とは?該当する所得目安

住民税は前年の所得に基づいて決まります。所得ゼロの場合以外に、一定以下の年収でも「非課税」に該当します。

世帯全員の住民税が非課税の場合に、その世帯は「住民税非課税世帯」となります。

住民税非課税世帯になる条件は自治体によって異なりますが、ここでは東京23区内における条件を確認してみましょう。

2.1 東京都23区内で「住民税非課税世帯」に該当する条件(所得等)

(1) 生活保護法による生活扶助を受けている方
 
(2) 障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方
 
(3) 前年中の合計所得金額が下記の方

  • 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
  • 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下

例えば「同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合」の目安は所得45万円以下ですが、所得と年収は異なるため、目安となる収入換算も確認しておきましょう。

3. 「住民税非課税世帯」に該当する年収目安は?

「住民税非課税世帯」に該当する条件として、参考までに武蔵野市と大阪市の場合で確認してみましょう。

3.1 住民税非課税世帯に該当する年収(武蔵野市のケース)

東京都武蔵野市では、住民税非課税世帯に該当する年収として、以下の通りに提示されています。

【写真1枚目/全6枚】武蔵野市における住民税非課税世帯の年収条件。写真後半では「年代別の住民税非課税世帯の割合」を一覧表で比較1/6

武蔵野市における住民税非課税世帯の年収条件

出所:武蔵野市「所得税は非課税でしたが住民税は課税になりました 非課税となる基準が異なりますか」

  • 給与収入のみ:100万円
  • 年金収入のみ(65歳以上):155万円
  • 年金収入のみ(64歳以下):105万円
  • その他の収入:合計所得金額が45万円

3.2 住民税非課税世帯に該当する年収(大阪市のケース)

続いて、大阪市での年収目安も確認しておきましょう。

大阪市における住民税非課税世帯に該当する年収目安2/6

大阪市における住民税非課税世帯に該当する年収目安

出所:大阪市「個人市・府民税が課税されない方」

大阪市における住民税非課税世帯に該当する年収目安3/6

大阪市における住民税非課税世帯に該当する年収目安

出所:大阪市「個人市・府民税が課税されない方」

  • 給与収入で扶養親族なしの場合は100万円以下
  • 65歳以上の年金受給者で扶養親族なしの場合は155万円以下
  • 65歳未満の年金受給者で扶養親族なしの場合は105万円以下

給与収入の場合、どちらも所得45万円の目安として、年収目安は100万円とされています。

住民税非課税世帯に該当するのは高齢者世帯が多いとされていますが、実態はどうなのでしょうか。

続いて、年代別の住民税非課税世帯の割合も確認してみましょう。

4. 「住民税非課税世帯」年代別の割合一覧表

次に、年代別の住民税非課税世帯の割合を確認していきましょう。

厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」によると、年代別の住民税非課税世帯の割合(全世帯に占める住民税非課税世帯の割合)は次の通りとなりました。

年代ごとの住民税非課税世帯の割合4/6

年代ごとの住民税非課税世帯の割合

出所:厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成 注:「総数」には年齢不詳を含む

  • 30歳代:9.2%
  • 40歳代:9.2%
  • 50歳代:11.3%
  • 60歳代:19.2%
  • 70歳代:34.9%
  • 80歳代:44.7%
  • 65歳以上(再掲):35%
  • 75歳以上(再掲):42.5%

65歳以上では35%、75歳以上では42.5%が住民税非課税世帯に該当しています。

住民税非課税世帯を母数とすると、70~79歳の割合は37%、80歳以上の割合は29%でした。

70歳以上を合わせると全体の66%を占めており、住民税非課税世帯には高齢者が多い実態がわかります。

当然ながら、年金生活になれば現役時代に比べて収入は少なくなるため高齢者ほど住民税非課税の条件に当てはまりやすい傾向があるといえるでしょう。

こうした「住民税非課税世帯」等に対し、10万円給付の支援措置が行われています。

5. 2024年度の住民税非課税世帯等への10万円給付が進む

2023年度には、住民税非課税世帯を対象として合計で10万円が支給されました。

また、住民税の均等割のみが課税されている世帯にも10万円支給が行われました。

2024年度に新たに住民税非課税世帯等に該当した世帯にも、10万円が支給されることとなっており、7月から申請が始まっている自治体もあります。(2023年度に給付金を受け取った方は対象外・定額減税前の金額で判定)

  • 世帯全員の2024年度住民税均等割が非課税である世帯
  • 世帯全員が2024年度住民税均等割のみ課税者である世帯
  • 2024年度住民税均等割のみ課税者と住民税均等割非課税者で構成される世帯

提出期限は9~10月頃に設定している自治体が多いため、申請が必要な方は忘れずに申請しましょう。

最後に、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」から高齢者世帯である70歳代の貯蓄事情を見ていきましょう。

6. 70歳代の平均貯蓄額はいくらか

現代のシニアは、どれくらいの金融資産を保有しているのでしょうか。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」から、70歳代の単身世帯・二人以上世帯の貯蓄額を見ていきます。

6.1 70歳代の単身世帯の貯蓄一覧

  • 金融資産非保有:26.7%
  • 100万円未満:5.8%
  • 100~200万円未満:4.3%
  • 200~300万円未満:4.1%
  • 300~400万円未満:3.3%
  • 400~500万円未満:2.5%
  • 500~700万円未満:6.6%
  • 700~1000万円未満:5.1%
  • 1000~1500万円未満:8.6%
  • 1500~2000万円未満:5.3%
  • 2000~3000万円未満:8.2%
  • 3000万円以上:17.3%

平均:1529万円
中央値:500万円

6.2 70歳代の二人以上世帯の貯蓄一覧

続いて二人以上世帯における貯蓄です。

  • 金融資産非保有:19.2%
  • 100万円未満:5.6%
  • 100~200万円未満:5.1%
  • 200~300万円未満:4.3%
  • 300~400万円未満:4.7%
  • 400~500万円未満:2.5%
  • 500~700万円未満:6.2%
  • 700~1000万円未満:5.8%
  • 1000~1500万円未満:10.2%
  • 1500~2000万円未満:6.6%
  • 2000~3000万円未満:7.4%
  • 3000万円以上:19.7%

平均:1757万円
中央値:700万円

平均額は2000万円近い金額となっていますが、実態により近い中央値では500万円・700万円となっています。

また貯蓄ゼロとなる「金融資産非保有」は単身世帯で26.7%、二人以上世帯で19.2%と約2割前後が生活苦に陥っている可能性も否定できません。

収入源が少ない高齢者世帯にとっては、給付金の存在は大きいものとなっているでしょう。

7. まとめにかえて

住民税非課税世帯は高齢者に多いことがわかりました。

ゆとりのある老後を目指していたのに、物価高により準備していた老後資金が足りず、日々の生活を送ることで精一杯となることはできることなら避けたいですよね。

政府の給付もいつまで続くかわかりません。今後も物価が上がっていくことを考えると、今からできる範囲で準備をすることが大事になります。

2024年1月からは新NISA制度が始まり、資産運用を始める方が増えています。

何から始めたらよいのか?どんな金融商品があるのか?今やっていることがあっているのか?といった不安がある方は、金融機関やFPなどのプロに相談するのも一つの手段ですね。

参考資料

本多 奈都子