制裁が甘い? 大企業の不祥事が止まらない

スルガ銀行、レオパレス、SUBARU...2018年前半の主な不祥事

大企業の不祥事が続いた2018年前半

早いもので今年2018年も半分が終わろうとしています。今年前半を振り返ってみると、毎日流れる数多くのニュースの中で、相変わらず大企業の不祥事が目に付きました。大企業の不祥事を報じない日が珍しいと言ってもいいでしょう。

なぜ、毎年にように大企業の不祥事が明るみになり、そして、一向になくなる気配がないのでしょうか。

「不祥事」の定義とは? 業績悪化との明確な線引きは?

「不祥事」の意味については様々な説明が見られるものの、『一定の社会的な地位を持つ個人または団体などが起こした、社会的な信頼を失わせるような出来事』というのが一番ピッタリくるかもしれません。

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そして、ここで明確に区別しなければならないのが、「不祥事」と「業績不振」です。

たとえば、長い年月をかけて開発し、満を持して投入した新商品がさっぱり売れずに在庫の山となり、大赤字を計上することになった場合、これは「不祥事」とは言いません。このような事例は数多くありますし、むしろ、期待通りに売れるケースの方が圧倒的に少ないと考えられます。

もちろん、経営判断ミスとして担当者や経営陣は責任を追及されるでしょうが、企業として利潤を追求する行動であったことは間違いありません。結果的に「失敗」になったとしても、これは不祥事ではないはずです。

しかし、その過程で常軌を逸する行動があったり、その経営判断ミスを放置してその後の対応を誤ったりするならば、それは十分に不祥事と言えるでしょう。

2018年前半に発覚した大企業の主な不祥事一覧

そんなことに気を付けながら、2018年前半に明るみとなった大企業の不祥事を振り返ります。

  • 1月~昨年3月に経営破たんした大手旅行会社「てるみくらぶ」の社長の自宅から未申告の隠し資産(現金約700万円)が押収される。
  • 2月~三菱マテリアルがグループ会社3社で新たに品質データ改ざんがあったと発表。昨年11月に明らかとなった一連のデータ改ざん時には未報告。その後、社長が辞任。
  • 2月~昨年12月に発生した新幹線車台亀裂事故に関し、製造元の川崎重工がマニュアルに反して鋼材を削減していたことが判明。
  • 3月~日産自動車が無資格検査を組織的に行っていたことが明るみとなった昨年9月以降も、一部で不正検査を続けていたと国土交通省から指摘。
  • 4月~ソニーの複数の子会社で取締役を兼務する3人による不適切な交際費や出張費の支出が判明。全員が辞任。
  • 5月~スルガ銀行による女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」向けを始めとした過剰融資問題が明るみになる。金融庁による行政処分が行われるとの見方。
  • 5月~大手不動産会社レオパレス21による建築基準法違反(界壁の不備)が明るみに。
  • 6月~SUBARUで長年にわたり組織的な燃費データ改ざんが行われていたことが明るみに。
  • 6月~山陽新幹線「のぞみ」号の人身事故でJR西日本の運転手が所定の報告を怠る。

“氷山の一角”と言える大企業の不祥事

いかがでしょうか。改めて振り返ってみると、半年間に色々な不祥事があったことがわかります。しかも、ここに挙げたのは、いわゆる大企業のものだけです。未上場企業なども含めると、相当数の不祥事が発生したことが容易に想像できましょう。

ちなみに、ここに挙げたもの以外で目に付いたのは、労働問題に係るもの(不当解雇や従業員の自殺に伴う訴訟、過剰残業や賃金不払い疑惑など)が圧倒的に多かったようです。また、企業の組織としてではなく、従業員個々が引き起こした不祥事としては、金銭横領、情報漏えい(不正取得)、盗撮など迷惑行為などが大半を占めています。

さらに、公共交通機関の不祥事も多かったように思われます。JR西日本の問題以外にも、航空機の部品落下、乗務員の飲酒など、人命を預かるという意識が希薄化しているニュースが少なくありません。

“芋づる式”に明るみとなるデータ改ざんに係る不祥事

さて、今年前半に明るみ出た企業の不祥事に戻ると、昨年に引き続いてデータ改ざん問題が目立ちました。また、昨年判明したデータ改ざん問題をさらに調査したら、新たな事案が次々に発生したというケースもありました(SUBARUなど)。

しかも、こうしたデータ改ざんのほぼ全てが、長年にわたって横行しており、一部の内部告発を除くと、昨年から今年にかけて発覚したのは“たまたま”というケースがほとんどでした。これは逆に言うと、この先も新たな不祥事が突然に明るみに出る可能性があるということでしょう。

社会的制裁が課せられる法整備が必要

また、こうした不祥事が報じられた企業のうち、経営破綻した数少ないケースを除くと、その多くが社会的制裁を受けたとは言い難い状況にあります。

確かに、不祥事発覚後に株価が急落して年初来安値更新となるケースや(SUBARU、レオパレス21など)、スルガ銀行のように5年7カ月ぶりの安値を付けるケースもありましたが、少なくとも現時点では一過性の事象に過ぎません。中には、社会的信頼を失墜させながら、経営者が居直るケースも散見されています。

これは日本国内における法整備に問題があり、多額の過料を課すなど、厳しい制裁を課す仕組みそのものが求められるでしょう。また、こうした企業の不祥事に対して、株主だけでなく、私たち一般消費者が厳しい対応を取ること(不祥事を起こした企業の製品不買など)も必要かもしれません。

LIMO編集部

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