電車内ではいろいろなマナーがありますよね。でも、実際にどれくらい守られているのでしょう? 特に朝の忙しい時間帯や帰宅ラッシュなど、普段から満員電車に乗ることが多い方は、日々いろいろな不満を抱えているのではないでしょうか。
「迷惑行為」のトップ3は?
日本民営鉄道協会が発表した「駅と電車内のマナーに関するアンケート(2017年度)」では、
1位 騒々しい会話・はしゃぎまわり等
2位 座席の座り方
3位 荷物の持ち方・置き方
が電車内で迷惑と感じる行為の上位3位にランクインしています。
実際に、大きな荷物を入り口付近に置いたままにする人、満員電車でリュックサックを背負ったまま下ろさない人、2席分使って座ったり荷物を置いたりする人、電車の「中ほど」まで進まない人……などは頻繁に見られます。ホーム到着時に乗り降りする人がいるのに、ドア前・ドア付近から動かない人を「ドア前ガーディアン(守護者)」と呼ぶ言い方まであるようです。
1位の「騒々しい会話」は、これらのように一人じゃできませんが、夕方や土日は部活帰りの学生グループ、夜の電車では会社の同僚らしい酔っぱらいがやたら盛り上がって、ほかの乗客にとってはうるさくて困るといった話もよく聞きます。
こうした迷惑行為は多くの人が遭遇しているようで、これを読んでいる皆さんも、思い当たることがあるのではないでしょうか。
実際に経験した人の声
Twitter等のSNSでは、
「目の前に網棚があるのに大きなバッグを肩にかけてる人、なんで網棚に置かないんだろう。電車揺れるたびに顔面にぶつかってきそうで怖い」
「降りるって言ってるのに避けてくれないドア前ガーディアンのせいで電車降りられなかった……」
「ぎゅうぎゅう詰めの車内で無理にでもスマホ触ろうとする人、そこまでスマホ触るの大事なのかな……。時と場合ってものを考えないといけないんじゃない?」
といった声が多数挙がっています。
ちなみに、この1年前(2016年度)のアンケートでは、「歩きながらの携帯電話・スマートフォンの操作」が2位(今回調査では4位)、「携帯電話・スマートフォンの着信音や通話」が7位(同7位)と、ケータイ・スマホ関連の話は常に上位にランクインしています。
実際に殺人未遂事件まで……
こうしたマナー違反から、乗客同士の「殴る、蹴る」のトラブルにまで発展し、電車が遅延する事態もときどき起きているようです。中には「ケンカを始めた乗客が途中停車駅で引きずり降ろされるのを目撃した」という声も……。
急いでいる時に限って、こうしたことが原因で電車が遅れたりして、乗り合わせた人も余計にストレスが溜まったりすると、さらにトラブルの連鎖になりそうですね。「朝の電車は乗客がみんな殺気立っていて、なんか乗るのが怖い」と口にする人もいます。
実際に、深刻な事件に発展したケースもあります。2018年の2月、大阪市内の電車で、車内で立っていた男が、座っていた男性に「足が邪魔だ」と怒鳴ってトラブルになり、下車していった男性を追いかけて刃物で腹部を刺したというもの。幸い男性の命に別状はなかったものの、刃物を持っていた男は、普段から「肩が当たった」などと電車の乗客にクレームをつけ、トラブルを起こしていたようです。
どこまでが許容範囲?
ただ、人によっては、先ほど挙げたような行為を「マナー違反」と捉えていない場合も多く、指摘されたことに逆ギレしてトラブルになる場合などもあるようです。マナー違反かどうかの判断などは、かなり個人差がありそうですね。乗客同士のトラブルは「互いの認識のズレ」が一番の原因かもしれません。
混雑している時と席が空いている時でマナーも変わる(対応を変えるべき)という人もいますが、その場合でも「空いている」と感じる程度は人によって違います。
たとえば、皆さんは、「立っている人はいないけれど、座席がすべて埋まっている、あるいは1列に2席程度空席がある」状態は、空いていると感じるでしょうか? 一度、周りの人と話し合ってみると、人それぞれ違う捉え方をすることがきっとよくわかるでしょう。
「ルール」として明文化できないからこそ難しいのが「マナー」ですが、一方で、もし電車の乗り方が法律で決められるようなことになれば、息苦しく感じてしまうのではないでしょうか。電車に乗っているとき、「これ、もし自分が隣にいる人の立場だったら、OKかな……?」と一度想像してみてもいいかもしれませんね。
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