ことし1月、2024年度の年金額を前年度から2.7%引き上げるとの発表がありました。
厚生労働省が開示した「厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額※)の年金額の例」を見ると、前年度より月額6001円が増え、23万483円が支給されるとのことです。
年金は基本的に2ヶ月ごとの支給なので、次回の支給日は8月15日に迫ります。
しかし、厚生年金の受給額は現役時代の収入や加入期間に左右されるので、人によって大きな差があります。
また、居住地によっても受給額が異なり、都道府県別に見ると1位と47位の間には年額50万円以上の差があるのが現状です。
今回は、都道府県別に厚生年金の平均受給額をランキング形式で紹介するとともに、なぜ居住地によって年金額に差が出るのかを解説します。
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
1. 厚生年金の平均受給額は14万3973円
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号) 受給権者の平均年金月額は14万3973円となっています。
なお、男女別の平均年金月額を見ると、男性が16万3875円、女性が10万4878円となっており、男女間で約6万円の差が見られます。
厚生年金の受給額は個人差が大きいので、受給額ごとの受給者数も見てみましょう。
1.1 厚生年金受給額ごとの受給者数
- 1万円未満:6万1358人
- 1万円以上~2万円未満:1万5728人
- 2万円以上~3万円未満:5万4921人
- 3万円以上~4万円未満:9万5172人
- 4万円以上~5万円未満:10万2402人
- 5万円以上~6万円未満:15万2773人
- 6万円以上~7万円未満:41万1749人
- 7万円以上~8万円未満:68万7473人
- 8万円以上~9万円未満:92万8511人
- 9万円以上~10万円未満:112万3972人
- 10万円以上~11万円未満:112万7493人
- 11万円以上~12万円未満:103万4254人
- 12万円以上~13万円未満:94万5662人
- 13万円以上~14万円未満:92万5503人
- 14万円以上~15万円未満:95万3156人
- 15万円以上~16万円未満:99万4044人
- 16万円以上~17万円未満:104万730人
- 17万円以上~18万円未満:105万8410人
- 18万円以上~19万円未満:101万554人
- 19万円以上~20万円未満:90万9998人
- 20万円以上~21万円未満:75万9086人
- 21万円以上~22万円未満:56万9206人
- 22万円以上~23万円未満:38万3582人
- 23万円以上~24万円未満:25万3529人
- 24万円以上~25万円未満:16万6281人
- 25万円以上~26万円未満:10万2291人
- 26万円以上~27万円未満:5万9766人
- 27万円以上~28万円未満:3万3463人
- 28万円以上~29万円未満:1万5793人
- 29万円以上~30万円未満:7351人
- 30万円以上~:1万2490人
1万円未満~30万円以上と、厚生年金の支給額には幅があることがわかります。
では、本題である都道府県別の平均受給額ランキングを見ていきましょう。
2. 【都道府県別】厚生年金の平均受給額ランキング
厚生年金の受給額が高い都道府県、低い都道府県を見ていきます。
2.1 厚生年金の受給額ランキングトップ10
- 1位 神奈川県:16万4088円
- 2位 千葉県:15万8918円
- 3位 東京都:15万7478円
- 4位 奈良県:15万6630円
- 5位 埼玉県:15万5412円
- 6位 愛知県:15万4191円
- 7位 兵庫県:15万3197円
- 8位 大阪府:15万477円
- 9位 滋賀県:14万8134円
- 10位 茨城県:14万6466円
2.2 厚生年金の受給額ランキングワースト10
- 38位 鳥取県:12万7492円
- 39位 鹿児島県:12万7243円
- 40位 熊本県:12万6583円
- 41位 岩手県:12万6451円
- 42位 高知県:12万6353円
- 43位 山形県:12万4586円
- 44位 沖縄県:12万3459円
- 45位 宮崎県:12万3237円
- 46位 秋田県:12万3060円
- 47位 青森県:12万2134円
1位の神奈川県と47位の青森県との差額は4万1954円であり、年額にして50万円以上の差があることになります。
では、なぜ都道府県によって年金額に大きな差があるのでしょうか。
3. 年金額に50万円以上の差が出る理由とは
厚生年金の受給額は現役時代の収入と加入期間によって決まるものであり、報酬比例部分の計算式は以下になります。
A(2003年3月以前の加入期間)
「平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数」
B(2003年4月以降の加入期間)
「平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数」
つまり、現役時代の収入が高く、加入期間が長い人のほうが多くの年金を受給できるということです。
賃金の水準は都道府県によって異なるので、一般的に賃金が高い傾向にある都心部などのほうが、年金額も高い傾向にあります。
また、厚生年金に加入しない(または加入期間が短い)自営業やフリーランスなどの比率も年金額に影響するでしょう。
4. 年金の見込み受給額を確認しよう
今回は、都道府県別の年金支給額ランキングをご紹介しましたが、実際の受給額は個人差が大きくなります。
老後生活に向けてマネープランを立てるためにも、まずは日本年金機構の「ねんきんネット」などで自分の見込み受給額を確認することが大切です。
厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況 Ⅱ 各種世帯の所得等の状況」によると、年金収入だけで生活できている世帯は41.7%に留まるとのこと。
年金だけで生活するのが難しい場合、年金以外の収入源を確保するか、自らの金融資産を取り崩して生活する必要があります。
老後を迎えてからでは遅いので、貯蓄や資産運用など自分にできることは何かを考え、早めに準備を始めていきましょう。
参考資料
加藤 聖人