4. 年収の壁対策が進められるが
政府は年収の壁問題を受け、「年収の壁・支援強化パッケージ」を進めています。
短時間労働者が「年収の壁」を意識せず働くことができる環境づくりを支援することが目的で、助成金を支給したり被扶養のままとどまれたりするとしています。
4.1 106万円の壁の対応
- 手取り収入を減らさない取組を行う企業に対し、労働者一人当たり最大50万円を支給します。
4.2 130万円の壁への対応
- 収入が一時的に上がっても、事業所の証明により引き続き被扶養者認定が可能となるよう配慮します。
とはいえ、年金制度の改革など、扶養内で働く方の環境はめまぐるしく変わってきています。
最低賃金の改定を機に、「社会保険加入のメリット」を今一度考えてみるのもひとつでしょう。
5. まとめにかえて
最低賃金が改定され、全国平均で時給1054円になる見込みです。
ただし、都道府県での格差や扶養内パートの年収の壁問題など、引き続き課題は残る状態です。
これを機に、今後のキャリアや社会保険について、今一度考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「最低賃金制度の概要」
- 厚生労働省「年収の壁・支援強化パッケージ」
- 厚生労働省「社会保険適用拡大 特設サイト」
- 厚生労働省「令和5年度 地域別最低賃金 答申状況」
- 首相官邸「令和6年7月25日(木)午前 内閣官房長官記者会見」
- 厚生労働省「令和6年度中央最低賃金審議会目安に関する小委員会(第5回)資料」
- 厚生労働省「武見大臣会見概要」
太田 彩子