2024年6月28日、帝国データバンクより公表された「定期調査:「食品主要195社」価格改定動向調査―2024年7月」によると、7月の値上げは411品目。3年連続で1万品目もの値上げが実施されたことになります。
今まで100円で買えていたものが200円でしか買えなくなると、お金の価値が半分になってしまっていることになります。
これから将来に向けて更なる値上げが実施されてしまうと、老後を迎える頃には今のお金の価値はもっと下がってしまうでしょう。
「これからも物価が上がることを見越して、老後に向けての備えをしていくこと」が大切です。
では、老後に向けてどれくらいの金額を準備すればよいのか。少しイメージしにくいかもしれません。
そこで本記事では、2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、最新の厚生年金と国民年金の受給額を確認していきます。
年金収入がどれくらいかを眺めながら、老後対策として「何をすべきか」を考えていきましょう。
1. 「国民年金・厚生年金」の基本的な仕組みを確認する
日本の公的年金制度は「国民皆年金」とされ、原則として日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が「国民年金」に加入する義務があります。
「厚生年金」は、主に会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入することから、公的年金制度は国民年金と厚生年金の「2階建て」と言われています。
ご自身が加入する年金の仕組みを理解しておくと、老後に向けたマネープランやライフプランを立てやすくなるでしょう。
国民年金・厚生年金のそれぞれの仕組みを確認していきます。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律(年度ごとに改定あり)※2024年度は月額1万6980円
- 保険料の納付期間に応じて将来もらえる年金額が決まる※2024年度の満額は月額6万8000円
なお、国民年金の被保険者は第1号~第3号の3つに分類されます。
- 第1号被保険者:20歳以上の学生や自営業者など
- 第2号被保険者:厚生年金にも加入する会社員や公務員など
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者
第1号被保険者は自身で国民年金保険料を納付する必要があります。
第2号・第3号被保険者の国民年金保険料は、第2号被保険者が加入する厚生年金制度によって負担されます。
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが国民年金に上乗せして加入する
- 毎月の給与や賞与などの報酬に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や保険料の納付額に応じて計算され、国民年金に上乗せして支給される
では、老後に受給する年金額はどれくらいなのか。次章で年金の平均月額を確認していきましょう。