銀行員として数多くの「富裕層」のお客様と接してきましたが、彼らの資産運用には共通した特徴があります。それは「手堅さ」。
いわゆる富裕層の方は短期的な利益を追うのではなく、リスクを分散させながら長期的に安定したリターンを求める傾向があります。
資産運用は長期で行うものです。
2024年7月3日、東京外国為替市場で対ドル円相場は1ドル161円90銭台まで下落し、1986年12月以来、約38年ぶりの円安水準を更新しました。同、11日には日経平均株価が史上最高値となる4万2224円をつけています。
今多くの方が資産運用に興味を持ち始めているのではないかと思います。
この機会にぜひ「富裕層」の運用ノウハウを取り入れ、将来の備えについて一緒に考えてみませんか?
1. 日本に富裕層はどれくらいいるのか
野村総合研究所が公表している「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」によると、2021年時点における純金融資産保有額が1億円以上の世帯は148万5000世帯。定義はありませんが、1億円以上の準金融資産を持つ人を「富裕層」とするのであれば、日本に存在する富裕層は全世帯の2.7%とほんのひと握りということになります。
- 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
- 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
- マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円
保有資産規模や世帯数は2005年~2021年で下記のように推移。2011年以降、富裕層の純金融資産と世帯数は増加しています。
- 2011年:純金融資産188兆円/世帯数81万世帯
- 2021年:純金融資産364兆円/世帯数148万5000世帯
では、富裕層はどのような資産運用を行っているのでしょうか。
次章で解説していきます。