2024年7月19日公表の消費者物価指数(総合指数)は、前年同月比で2.8%の上昇となりました。
2020年を100として比較すると、2024年6月分は108.2まで上昇しています。
物価の上昇によって家計の負担が増え、貯蓄や資産運用に回す余裕がない世帯も多いのではないでしょうか。
そのような状況の中、豊富な資産を有する「富裕層」と呼ばれる世帯の数は増加傾向にあります。
本記事では、日本には富裕層がどのくらいいるのかを紹介するとともに、お金持ちとそうでない人にはどのような違いがあるのか、元証券マンである筆者が解説します。
1. そもそも富裕層とは?
野村総合研究所は、世帯として保有する金融資産の合計額から不動産購入に伴う借入などの負債を差し引いた「純金融資産保有額」もとに、総世帯を以下の5つの階層に分類しています。
- マス層:3000万円未満
- アッパーマス層:3000万円以上5000万円未満
- 準富裕層:5000万円以上1億円未満
- 富裕層:1億円以上5億円未満
- 超富裕層:5億円以上
野村総合研究所の定義によれば、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の世帯を「富裕層」としています。
1.1 日本に富裕層はどのくらいいる?
同じく野村総合研究所の調査によると、日本の富裕層は139万5000世帯(2021年時点)あり、純金融資産総額は259兆円に上るとのことです。
【写真1枚目/全3枚】純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数。後半の写真で「お金持ちとそうでない人の特徴」の一覧表も紹介1/3
5億円以上を有する超富裕層も含めれば148万5000世帯となり、純金融資産総額は推計364兆円に上ります。
全世帯の純金融資産総額1632兆円のうち、富裕層以上の世帯が有する資産額は約22.3%に上る計算です。
1.2 富裕層・超富裕層は増加傾向に
2005年から2021年までの推計結果を見ると、富裕層・超富裕層の世帯数および純金融資産額は、2013年から一貫して増加傾向にあります。
純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移(2005年~2021年の推計結果)2/3
富裕層・超富裕層が増加している要因の1つとして、金融商品などの価格が上昇していることが挙げられます。
日本円以外の資産を多く保有していた世帯ほど、株高や円安などの恩恵を受けたことでしょう。
特に富裕層の方々は元手となる資産が大きいので、お金がお金を生む好循環があったものと推察されます。
では、お金持ちとそうでない人の違いは、単純に保有資産の違いなのでしょうか。
次章にて、お金持ちとそうでない人の特徴について見ていきます。
2. お金持ちは金融リテラシーが高い?
筆者は証券マンとして多くのお客様と接してきましたが、豊富な資産を有している人ほど「金融リテラシー」が高い傾向にあると感じています。
今回は、多くのお客様と接する中で感じた「お金持ちとそうでない人」の特徴について、以下の表にまとめました。
お金持ちとそうでない人の特徴3/3
出所:筆者作成
2.1 お金持ちの特徴
- 資産運用の重要性を理解している
- リスク管理のスキルが高い
- 税務知識が豊富
- 金融教育への関心が高い
- 最新の金融知識をアップデートしている
3. お金持ちではない人の特徴
- 資産運用の知識がない
- 投資のリスクを過度に恐れている
- 税務知識が乏しい
- 金融教育への関心が低い
- 最新の金融知識や市場の動向に疎い
もちろん、すべての富裕層が必ずしも金融リテラシーが高いとは限りませんし、資産が少ない人の中にも金融リテラシーが高い人はいます。
しかし、筆者が出会った富裕層の方々は、少なくとも資産運用の重要性を理解しており、お金に関する豊富な知識をお持ちでした。
市場のトレンドや経済ニュースなどにも敏感で、金融教育に対しても積極的な人が多かったように感じます。
また、豊富な資産を有する人ほどお金の管理が細かく、無計画に散財している様子はありませんでした。
4. 富裕層を目指すなら「金融リテラシー」を高めよう
裏を返せば、金融リテラシーを高めることで富裕層の仲間入りができる可能性があるということです。
金融リテラシーを高めるには情報収集や学習が必要不可欠ですが、最近は動画サイトで有益な情報を得られることも多いので、スキマ時間に学習するのがおすすめです。
他には、専門書を読んだり、金融教育のセミナーに参加したりするのもよいでしょう。
現在、円預金だけでは資産を増やすのが難しい状況なので、資産運用の知識を身に付けることが必要不可欠です。
資産を増やす手段が必ずしも資産運用である必要はありませんが、富裕層を目指すための需要な要素の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。
参考資料
加藤 聖人