2. 頭金なしで購入するメリットとデメリット
購入する住宅の価格やローン契約者の年収によっては、頭金がゼロでも住宅ローンを組むことができる場合があります。
その場合のメリットとデメリットには次のようなものがあります。
2.1 頭金なしで購入するメリット
①手元にお金がなくても家が買える
手元に住宅購入資金がなくてもすぐにマイホームを購入できるので、早期に快適な生活を始めることができるのが最大のメリットでしょう。
②賃貸住宅に住んでいる場合には、無駄な家賃の支払いをなくすことができる
現在賃貸住宅に住んでいる場合には、早く月々の家賃の支払いをなくすことができるようになります。
2.2 頭金なしで購入するデメリット
一方で頭金なしで購入するのはデメリットも存在します。
①金融機関の住宅ローン審査が通りにくくなる
頭金がないとその分借入金額が高額になるので、年収や借入希望金額によっては住宅ローンの審査に通らないことがあります。
②金利負担が大きくなり、総返済額が増える
仮に金融機関の審査に通ったとしても金利負担が大きくなるので、その分総返済額が増えてしまいます。
また金融機関によっては頭金の割合に応じて金利が異なる場合があり、融資率(建設費や購入価格に対して借入金が占める割合)が大きくなると通常よりも金利が上乗せされます。
③総返済額が増えると月々の返済額が増えるので、生活が苦しくなる
総返済額が増えるとそれに伴って毎月のローン返済額も増えるので、その分月々の生活費が圧迫されるようになります。
④希望の金額を借りることができなくなって、物件の選択肢が少なくなるリスクが生じる
金融機関から希望の金額が借りられなくなると、予算を下げて妥協せざるを得なくなってしまうので、物件購入後に後悔することにもなりかねません。
3. まとめにかえて
住宅を購入する際には、以前は購入金額の8割程度までしかローンを組むことができませんでしたが、近年はネット銀行が台頭するようになって既存の銀行との競争が激しくなった結果、頭金なしでも住宅ローンが組めるようになってきました。
しかし頭金がゼロの場合にはここで紹介したようにさまざまなリスクがあるので、長い返済期間にかかる金利のことなどを考えると、少しでも多く頭金を用意しておくことをおすすめします。
参考資料
亀田 融