4.2 年金の手取り額はもっと下がる
さらに、約46万円が手取り額ではない点にも注意しましょう。年金からは税金や保険料が天引きされるため、手取り金額は額面よりも低くなります。
実際の振込額は、6月ごろに送付される「年金振込通知書」に記載されます。
受給前に確認できる「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」の数字も額面での記載なので、混同しないよう注意しておきましょう。
5. 年金の額面ではなく手取りも考えて老後計画を
2ヶ月ごとに年金が「約67万円・約46万円・約27万円」支給される夫婦の違いはどこにあるのかを見てきました。
生命保険文化センターによると、「老後の最低必要日常生活費は23万2000円、ゆとりがある老後生活費は平均37万9000円」という調査結果が出ています。
ご自身のご家庭では、理想の老後を送るにはどれくらい準備が必要か、一度考えてみてはいかがでしょうか。
まずは、ねんきん定期便やねんきんネットでご自身の年金額を確認してみましょう。ただし、これらは額面金額なので、実際には税金や保険料が引かれることも知っておく必要があります。
今回、老後の生活に不安を感じた方は、税制優遇が受けられるNISAやiDeCoなどの制度を活用し、資産運用も考えてみてはいかがでしょうか。
資産運用は運用期間が長くとれる人ほど選択肢が広がり効果が出やすいため、早い時期から検討することをおすすめします。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「年金振込通知書」
- 厚生労働省「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」
橋本 高志