今年は、5年に1度の年金財務検証が行われました。財務検証とは、100年先まで見通して公的年金財政の持続性を点検するものです。
公的年金制度に大きな影響を及ぼす可能性がある財務検証結果は、厚生労働省のHPにて確認することが出来ますので、是非注目してみましょう。(2024年7月3日第16回社会保障審議会年金部会にて公表)
さて、現在の老齢年金(原則として65歳以上に受け取れる公的年金)は偶数月の15日に2ヶ月分が支給されます。現状の制度では、一体いくら受け取れるのでしょうか。
2024年度のモデル夫婦世帯の場合、1回あたりの支給額は約46万円となります。この金額を見て、多いか少ないかの受け取り方は人それぞれでしょう。
一方で、理論上は約67万円受取れる夫婦や約27万円となる夫婦もいます。この差はどこで生まれるのでしょうか。
その違いや注意点について、公的年金の仕組みから確認していきましょう。
1. 公的年金の仕組み
日本の年金制度には「国民年金」と「厚生年金」があり、図のような2階建ての構造となっています。まずはどちらの年金に加入するかによっても、年金額の差が生まれます。
1.1 国民年金(基礎年金):1階部分
- 加入対象:原則として日本に住む20歳から60歳未満の方
- 保険料:一律(年度ごとに見直し)。2024年度は月額1万6980円(前納による割引もあり)
- 年金額:保険料の納付期間によって決定。2024年度の満額は月額6万8000円(67歳以下の場合)
1.2 厚生年金:2階部分
- 加入対象:主に会社員、公務員など
- 保険料:報酬比例制(上限あり)
- 年金額:加入期間や納付保険料により決定
要件を満たせば、障害年金や遺族年金を受給する方もいますが、ここでは老齢年金にフォーカスをあてます。
年金は原則として偶数月の15日に行われ、2ヶ月分が振り込まれますが、年金の種類によって金額などに差が出るため、自分が加入している内容を把握しておく必要があります。